第38話 次の島に行く前に
ある程度満喫したことだし。ガエンの島から北の島に行こう。シロヤマの島ってとこがデカくて最北端らしいしな。
「ああ。なんだい。あんたシロヤマに行くのかい。あそこは寒いで。準備をせなあかんわ」
という宿のおばさんの意見があったから、出発前に市場で暖かそうなものを見てみることにした。一応コートとかは持って来てるしな。丁度寒くなりつつあったからか、羽織るものが多く売ってるんだよな。羽織って太い紐で結ぶスタイルが多いのか。中に毛皮。そういりゃどっちの冬の方が厳しいんだろうな。ヒューロも何だかんだ寒いけど、ワーラルフ程じゃねえだろうし。
「おーなんだい。悩んでいるのかい。旅人さん」
服を多く取り扱ってる店の人に話しかけられた。どうするか。こっちは一応冬用の持って来てるんだよな。一着は買おう。記念になるし。
「そうですね。一つ欲しいなとは思うんですけど、どれがオススメかが分からなくて」
「うーん。あんた体格がええからな。これなら問題ないと思うんやけど」
受け取って羽織ってみる。ちょっと動きづらいな。
「あらま。それならこっちはどうや。装飾の類になるんやけど」
赤い真珠のネックレス? これのどこが寒さ対策なんだ?
「えーっと見た目だけだと分からないのですが」
店の人がニヤリって笑ったな。
「そう。これは寒さ対策とお洒落の両立を目指した道具や。術を施しておってな。首にかけるだけで暖かくなるんやで」
魔道具の一種か。確かに触れてみると暖かいものがあるな。試してみるか。
「どや?」
これは結構いいかも。
「買います」
「まいど!」
服というか魔道具買っちゃったな。あとは耳を守るのも買って。保存が効く奴も勝っておいて。シロヤマの島に行けるデカい船に乗り込む。上がって外に出たんだけどよ。
「だいぶ冷えたなぁー……」
知らない間に寒くなったな。息が白くなってたし。またこっから厳しくなるというか、シロヤマは北の方だから、また違う物が見られるはず。そんで星天諸島の最北端だ。出来る限り、見ておいて、故郷に帰ろう。
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