第35話⁂悪夢の正体!⁂
美月は階段の踊り場の勇馬にぶつかり、打ちどころが悪かったせいか、その前後の記憶に若干の狂いが出ている。
美月の異母姉弟だと思っていたのだが、実は…真由美の息子だった翼は、その後どうなったのか?
真由美の死によって息子翼は、真由美の兄の養子となり近所に住んでいるが、美月とは兄弟のように仲が良い。
ましてや養子に入ったと言っても、実際には従兄弟と一緒に生活しているので、肩身の狭い思いをしている。
美月と異母姉弟だと誤解していたのは、真由美の兄夫婦の家に養子に入り異母兄弟となっていたからだ。
1人っ子の美月にして見れば、母に「弟か妹を産んで!」と懇願しているが一向にその夢は叶わない。
だから……翼は、弟のようなもの。
◇◇◇◇◇◇◇◇
{僕は、お腹が空いて夜中に起きて、冷蔵庫の中の食べ物を盗み食いするのが、クセになっていた。ある日とうとう義母光子に見付かり散々虐待を受けた}
「気に食わないんだよ!全くお前みたいな厄介者の大食らい。我が家のお荷物だ。死んでしまえ!憎たらしいガキ!」
ボッカ――ン〷///ピッシャ———ン//バッタ——ン/〷/
義母光子に毎日のように虐待されて翼は、よく気を失い悪夢を見る。
実は……美月ではなく、翼が真由美の兄嫁で義母光子に虐待されて、悪夢に苛まれていたのだ。
翼は、光子の度重なる虐待で意識不明になったり悪夢を見たりしている。
大蛇に転生憑依した翼は、くねくねとトグロを巻いて真由美の兄嫁で、義母光子に襲い掛かる
「クソババア————ッ!よくもこの俺を散々虐待してくれたな——————ッ!許さん!ガァ———オウ!丸飲みにしてくれるわ~!憎らしいババア!」
「ギャッギャ—————————!」
義母光子は家中逃げ惑っているが、大蛇になった翼が暴れ出し家を滅茶苦茶にしながら、傍若無人に光子に襲い掛かっている。
光子は苦しみ悶えながら生きたまま丸飲みにされた。
「グワ————ッ!」
「フン!ババアざまあみろ!オオなんだ不味い!だが復讐だ。ウッフッフッフ~!よくも虐めてくれたな~!いい気味だ!」
余程の恨みが有るのか、悪夢を見ている翼だが、現実世界では義母の光子は、教育委員会から呼び出しを食らっていた。
それは翼の身体に虐待の形跡が有ったからだ。
「お母様翼君の体のアザは一体何ですか?今後またこのような実態が有りましたら、法的措置を下してもらう羽目になるかも知れません」
「…………」
「フン!いい気味だ!ハハハハ!」
それでも治らない義母の虐待。
こうして翼は、ある日虐待が余りにも酷過ぎて昏睡状態に陥り、死の淵を彷徨っている。
その時翼は、残酷極まりない地獄に突き落とされている光子をしっかり見ていた。
翼は死の淵で地獄の様相を見ていた。
それだけ翼の恨みが強いという事なのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます