第33話⁂真由美と美月!⁂
私は義母(真由美)智子に虐待を受けて、三途の川を渡る手前の賽の河原に辿り着いた。
ある日、模範生だった私は、とうとう地蔵菩薩様に連れられて、三途の川を渡って極楽浄土に辿り着いたわ。
💎🔹✨🔹💎🔹✨🔹💎🔹✨💎🔹✨🔹💎🔹✨🔹💎🔹✨
嗚呼~!それは何とも煌びやかで得も言われぬ美しさ✨*★・。゚
宝石💎が至る所に散りばめられて💎🔹✨
もうびっくりしたのなんのって!
四方八方から眩いぐらいの後光が差して🔸☆⋆🌟✴️。🔹
とても過ごしやすい気候で✴️💮🌈
天からは色とりどりの赤や黄色や桃色の華の雨が降り注ぎ🌸🔹🌟🔸🌺✴️💮
息を呑む程の美しさだったわ*★・。゚☆*
💎🔹✨🔹💎🔹✨🔹💎🔹✨💎🔹✨🔹💎🔹✨🔹💎🔹✨
地蔵菩薩様と武丸3人で三途の川を渡って極楽浄土の余りの美しさに、私は茫然と見入っていたわ。
すると……赤や黄色や紫の羽衣を、ゆらゆらと棚引かせながら、優雅に天空を舞う美しい天女の群れを発見。
その天女の群れの中に「アッ!母美穂にそっくりの女性だ~!」
一体どういう事?
そして…拓也を探して地獄に到達した時には、地獄の煮えたぎる窯の中で、鬼に押さえ付けられながらも、命乞いをする真由美であり智子らしき女性も見ていた。
一体何が起こっているのか?
何故母美穂と真由美を極楽浄土と地獄で見る事になったのか?
こうして全ての謎が徐々に…………。
◇◇◇◇◇◇◇◇
{それが実は……話がチョット食い違っちゃっていたのよね~?}
美月は、7歳で生死の境を彷徨ったのだが、幼かった美月は、全てにおいてうろ覚えで所々勘違いしていた。
実は……異母姉弟だと思っていた弟の翼は、実は真由美の息子で異母姉弟ではないのだ。
どういう事かと言うと、真由美は学と結婚はしていない。
市長のお嬢様なので、たとえおへちゃでも降るほどの縁談話が舞い込み、すでに結婚していた真由美。
{学が結婚してしまった以上諦めるしかない}
そう思い、やけくそになり結婚した様なもの。
仕方なく結婚したのだが、それでも…子供にも恵まれて一安心していたのだが、
とんでもない夫で、浮気癖があまりにも酷いので、業を煮やして息子の翼を連れて、出戻っていた。
そんな時に、近所のよしみで学と会う機会も増えて行った。
それでも…偶然に顔を合わせると笑顔を向けてくれる学に、ふっとあの頃の熱い思いが蘇ってくる真由美。
学を密かに思っていたあの頃を思い出すと、胸が熱くなるのだ。
そして…姉久美子がひょんな事から口走った、あの言葉が蘇って来た。
「学と美穂が兄妹らしい」
こんなこぶ付で出戻りの、何にも出来ない真由美だが、理想だけは一丁前。
そこで学に真実を話して、2人を引き裂こうと考えたのだ。
親切を装い、母の美穂が家を開ける時は、図々しく必ず真由美がやって来るようになった。
美月が物心付く頃には、母美穂が急用で家を開ける時は、必ずと言って良いほど真由美が家に押しかけていた。
真由美の親切心を他所に、美月は真由美がやって来ると、いつも何かしら居心地の悪さを感じている。
母が家にいる時には、通いのお手伝いさんがいるのだが、真由美がやって来る日には、最初の内はお手伝いのマキさんもいたのだが、最近急にお手伝いさんが来なくなってしまった。
マキさんだったら、もう長く務めてくれているので気楽に何でも話せるし、多少のわがままも許してもらえるが、真由美は何かしら険があり疲れるのだ。
そんな美月の心の内も知らない真由美なのだが、真由美は真由美で思惑が有る。
姉の久美子から「学と美穂が兄妹らしい」と聞いていたので、美穂がいないまたとない好機、今こそ「学と美穂が兄妹らしい」この話しを学に打ち明けて、美穂をこの家から追い出したい。
そう思うのだが、お手伝いのマキさんがいては、それ所ではない。
こんな重要な話を、おいそれとは口走れない。
それと………出来るだけ………学と2人だけの時間を作りたい…2人だけの時間に浸りたい。
そこで「私がお手伝いに来る日は、あなた来なくてもいいから。もう学に話してあるから」とお手伝いさんに強い口調で厄介払いをしてしまった。
真由美の策略とは裏腹に、美月は真由美おばさんに不満タラタラ。
どこか話し辛い居心地の悪さ、更には食べ物は合わないし、我慢の限界。
それを感じ取っていた真由美も、美月が目障りで仕方がない。
何かしら私を嫌っていて、学に今すぐにでも陰口を喋りまくりそうで、ひやひや。
こんなに親身になって手伝ってあげているのに、それを仇で返すつもり?
確かに冷蔵庫の食べ物を漁っていたのは事実なのだけれども、何故その様な事をしたかと言うと、真由美の料理が口に合わないからなのだ。
母の美穂は、イランの血が混じっている事から、ペルシャ料理をよく作ってくれていた。
例えば、黒目豆にほうれん草やニラなどの10種類以上の野菜と、骨付きラム肉を入れた「ゴルメサブシ」や、ひよこ豆やゴマをぺ-スト状にした「フムス」といった代 表的なスパイシー家庭料理をよく作ってくれた。
ペルシャ料理の大好きな美月なので、真由美の作る中途半端な和食が、どうにも口に合わないのだ。
よく残して、夜中に冷蔵庫の中を漁っていた。
それを快く思わない真由美。
「折角苦労して作ったのに!」
美月のそんな姿をたまに見掛ける学は、遅く帰って来て注意している。
「美月お行儀が悪いぞ」
「だっておばちゃんの料理美味しくないもの。それからママがお留守の時はお手伝いのマキさんでいいから」
{子供達が満足していないのなら、やはりお手伝いのマキさんがいるから、マキさんに任せよう}
そう思った学は、早速真由美に打ち明けた。
「いつもありがとう………でも………あの~?インフルエンザが治って美穂が退院して来たら、これからは来てもらわなくていいからね」
{最近特に、私を目の敵のような目付きで見て、私の作った料理もほとんど残すし、ろくに口も聞いてくれないって事は、あの子が私を追い出そうとして、学に話したに違いない。全く憎たらしい!}
折角近所のよしみで、親切心からお手伝いを買って出たのに、また学と少しでも傍に居られると思って一生懸命頑張ったのに、人の親切心を踏みにじるなんて………。
そして…学が打ち明けた2日後に事件が起きた。
以前からしこりのあった真由美と美月の2人なのだが………。
{もう兄にはお嫁さんと子供もいて………こんなこぶ付の出戻りの私には、離婚して家に帰ってはみたが居場所が無い………それでも…最後の切り札「学と美穂が兄妹らしい」この事を学に打ち明けて美穂を追い出す事………だって兄妹で夫婦生活は送れないでしょう?折角、理想の男性学と結婚出来る寸前まで近づいたのに………この美月が私を快く思っていない。ましてや、大切な人、学にもう来なくていいとまで言われてしまった………折角学との時間が持てて、幸せに浸っていたのに、この美月が気に食わない!}
頭に来た真由美は「もうどうにでもなれ!」
やけくそになり、憎たらしいこのガキを懲らしめてやろうと思い、2階の美月の部屋の端っこの階段付近にバナナの皮を塗り付け、バナナの皮を落としておいた。
それをうっかり踏み付け、足を踏み外して豪邸の階段から踊り場まで落ちてしまった美月。
踊り場に悠然と立つ南部鉄器の勇馬の置物に激突して生死の境を彷徨った。
そして、賽の河原を体現する事になった美月は、あの母美穂と真由美に極楽浄土と地獄で会う事になる?
こうしてとんでもない事が起こって行く。
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