第31話⁂告白!⁂
若かりし頃の学の母親洋子は、発展家の友達に誘われてディスコに出掛けていた。
週末の土曜日サタデーナイトに『ディスコ・キャメル』で踊る事が唯一の楽しみ。
最初はグル-プ交際だったアリと洋子だったのだが、ある日突然アリに誘われて2人きりで出掛けるようになった。
こうして、学の母洋子はやがて妊娠。
その時既に学の父と結婚話が進んでいて、どうも学はアリの子供ではないかと言う話なのだ。
誕生した赤ちゃんは、父親誠には似ても似つかないイケメンに成長した。
誠は純日本的な顔なのに、一体誰に似たのか?
美穂の父親アリと学の母親洋子が、結婚前に学を身籠り学を出産したらしいという事。
要するに学と美穂は異母兄妹という事になる。
これを学に暴露しようと思ったのだ。
そして…美穂を追い出して今度こそ、学を私の者に…………。
真由美は、今度こそ学を自分のものにしたいと切に願っている。
美穂とは犬猿の仲になってしまい、学も最近はよそよそしいので、中々声を掛けるチャンスを掴めないでいる真由美なのだが、ある日とうとう話す機会に恵まれた。
それは学が朝の出勤前に、よく立ち寄る喫茶店を思い出したのだ。
偶然を装い早速待ち伏せして、学を確認して喫茶店に入った真由美は、またもや偶然を装い。
「あぁ~?学じゃ~ないの?」
「ああ!偶然だね」
こうして学のテ-ブル席の向かい側に図々しく座った。
「ああああ!偶然ね。私もこの喫茶店よく利用するのよ」
「あぁ~?そうかい」
久美子を避けてやっとの事、愛する美穂とチャッカリ結婚にまで、こぎ着けた学だったのだが、そのショックで久美子の死期が早まったと美穂から聞いていたので、申し訳ない気持ちが有る。
またその反面、学としては自分の友達の妹としか思っていないのに、ましてや久美子との間には何も無いのに、久美子が一方的に学に思いを寄せていただけの事で、逆恨みをされて美穂まで恨まれては迷惑千万な話なのだ。
その挙句何も知らない美穂を、酷い言葉で罵倒して追い詰めた怒りが、ない交ぜになり複雑な思いの学。
2人の間には不穏な空気が流れたが、その時真由美が突然とんでもない話しを始めた。
「あのね!学、私が話す事………近所のよしみで話すのだけれども………怒らないで聞いてくれる?あのさ………あの~?学と美穂が………ひょっとして………ひょっとして………兄妹かも知れないって事、学知っていた」
「いや~?真由美、何言っているんだい?バカな事をワッハッハー」
「いや?本当の話よ!」
「また………一体何の根拠があってそんな出鱈目を言うんだい?」
「学のお母さんと美穂のお父さんが、まだ独身時代に付き合っていたって真実を、私は確たる人物から聞いているの。絶対に真実だから!」
学の顔が見る見る真っ青になり、ショックの余り放心状態のまま一気に外に飛び出してしまった。
真由美も会計を済ませて一気に外に飛び出し学の後を追った。
すると……その時、向かい側に学を発見、折角学と2人切りになれたチャンス、なんとしても追い付きたかった真由美は、車の往来が激しい事にも気付く余裕がなく、一気に飛び出してしまった。
””キキ――――ッ!キ――――ッ!””
””キキ————————ッ!キキキ———ボッカ――ン〷///グッシャ———ン〷//ドッス——ン/〷/〷ドカン
真由美は即死!
{エエエエ————————ッ!これってどういう事?美穂が死んだ筈なのに一体どうなってるの~?}
益々訳が分らなくなってなって来た。
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