第13話⁂虐め!⁂
現世なのか?異世界なのか?どちらかの世界で、義母智子の息子で美月の異母兄弟翼は、小学生の頃、酷い虐めに遭っていた。
理由は家が裕福で気が弱い翼は、まさに格好の虐めの標的に相応しい、そそる存在。
どういう事かと言うと、裕福で日用品から衣類やゲ-ム機器、全てにおいて高級品揃い、おまけに勉強も出来る為、クラスの心無い連中からは目の敵にされている翼なのだ。
それでも翼は、一匹狼と言うにははばかれる……何というか……?
要は人見知りが激しい為、殆ど友達が居ないと言った方が正解。
唯一の友達が、とんでもないデブでバカで気の弱い奴『Ⅹ』君、そこに付け入って虐めてやろうと、密かに企んでいる奴がいる。
要は妬みと嫉妬、そこに来て唯一の弱点気の弱い優等生。
刃向かってこないので、そこに付け入り、虐めは加速の一途を辿っていた。
じゃ~?何故こんなに対照的な2人が友達になったのか?
優秀な翼なのだが、厄介な事に幼い頃から引っ込み思案で人見知りの為、余程打ち解けることが出来ない限り、友達になれないのだ。
そんな時に、この『Ⅹ』君の母親と翼のママが偶然にも友達という事も有り、顔を合わせる機会が増えて行った。
そして…2人は、どういう訳か気が合い始終一緒にいる事が増えて行った。
そんなチョット繊細な人見知り翼の唯一の友達が、学年一のデブでバカの『Ⅹ』君なのだ。
それでも…お医者様の奥様のママが、何でそんな学年一のデブでバカの『Ⅹ』君のママなんかとお友達なのかって…………?
実は『Ⅹ』君の父親はIT企業の社長さん。
偶然にも翼のママと同じ会員制のジムが一緒で親しくなったママ友。
こんな経緯で親しくなった翼の唯一の友達『Ⅹ』君と翼は、小学5年生の時から陰湿ないじめに見舞われる事になる。
翼に対しての激しい嫉妬心と友達『Ⅹ』に対しての軽蔑と軽視。
両極端の友達2人、優秀で気の弱い言い返す事の出来ない少年と、やる事なす事ドジな気の弱い抵抗出来ない少年を、虐めの標的にするのにどれだけの時間が掛かりましょう。
あっと言う間に、この2人はクラスの皆から虐めの標的にされて、それはそれは辛い日々の連続。
ある日、翼と『Ⅹ』は校庭の裏庭にクラスのボス亮から「放課後一緒に遊ぼうよ!」と呼ばれ喜び勇んで出掛けた。
みんなで和気あいあいとドッジボールをやり始めた。
「さあ~!気合を入れて絶対勝つぞ!」
「オウ!」
「オウ!」
「こっちだって負けて堪るか!なあ皆!」
「オウ!」
「オウ!」
こうして意気揚々と試合に挑んだのだが、どういう訳か亮のチームが完敗した。
あんなに頑張ったのに何とも残念な話。
だが、この試合にはとんでもない裏が有った。
亮のチ-ムが負けた理由は、翼と『Ⅹ』君が徹底的に狙われボールが徹底的に当てられるように仕組まれていた。
そこには子供達の悪意に満ちた作戦が有った。
ある日の事、亮が従える子分達が10人以上束になって裏庭で相談中。
「気に食わねえ!アイツ金持ちで勉強が出来る事を鼻に掛けて、ワザと見せびらかしやがって、なんだよ!100点ばっかり取っているからと言って、ワザと机の上に出しっぱなしにしやがって……俺なんかママからいつも翼君を見習いなさい。この馬鹿がって言われっぱなし!……それから…ゲ-ム機器だって真っ先に入荷したのを見せびらかしているだろう……ああああああああ!気に食わねえ!」
「本当だよ!気に食わねえ!」
「本当だ!」
「本当だ!それから…アイツ……あのバカ、デブ『Ⅹ』が友達って最低!」
「本当だ!」
「本当だ!」
どうにもならない、タチの悪い、『烏合の衆』が何か………悪巧みをしている。
そして…運動神経の悪い2人、翼と『Ⅹ』君だけにボールを当てるように皆で話し合い、亮チ-ムは、一切守りを放棄してワザと当てさせるように持って行ったのだ。
「オイお前達2人のせいで、こんなに負けたじゃ~ないか?このお返しはちゃんと返してもらうからな?」
「そうだよ!まず手始めに駄菓子屋の菓子を万引きする事!」
「逃げたって駄目だよ。俺たち見張ってるからな!」
「それから…1個や2個じゃ~ダメだよ!俺達15人居るから、ざっと30個万引きしてね?分かった?」
「俺達そんな事出来ない!」
「そうだよ!ママに怒られるし?」
「もうしょうもない奴だな~!亮どうする?」
「チッ!やっつけな!」
ボスの亮に促され束になり襲い掛かって来た。
ボッカ――ン〷😰〷 グッシャ———ン🤮〷🥴〷//ドッス——ン🤕//〷//
「ヤッ止めてクレ――――――――ッ!」
「イッ痛い!ワァワァ~~ン😭ワァワァ~~ン😭」
「フン!いい気味だ!」
足や手は摺傷だらけ、更に服はボロボロ、顔は泥だらけ。
「俺達がやったって言ったら只じゃ済まないからな!」
「殴る」「蹴る」酷い暴力に集団でコテンパンにやられた翼と『Ⅹ』君はこの後、更に酷い目に合う事になる。
それは想像を絶する虐めへと加速して行く事になる。
だが、この虐めはのちのち大きな要因となって覆いかぶさって来る事になる。
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