第5話⁂美月は一体⁈⁂
いきなり黒のワゴン車がぶつかって来て、この謎の男、目出し帽の男に連れられ、車はひたすら関東に向かっている。
「お願い助けて――――――――ッ!」
「お嬢ちゃん僕は?僕は?人間では無い!」
「エエエエエエ―――ッ!」
「ウッフッフッフ~!」
目出し帽の横顔から覗く視線に何か………?とんでもない違和感を感じる美月。
美月は、関東地方の埼玉県の一角に有る倉庫に連れて行かれた。
「ここは一体どこ?私は……私は……どうなるの~?」
その時、目出し帽の男の目をハッキリと見ることが出来た。
何か………目の淵が真っ赤に光沢を帯びて………一体何者なのか?
すると……そこに高級車に乗った男が現れた。
そして、降りて美月の前に現れた。
鋭い目つきの威圧感の有る眼差し。
美月は、背筋も凍る思いだ。
「コッ怖い!」
◇◇◇◇◇◇◇◇
★転生と憑依
ペットの犬や猫が、子孫の家に生まれ変わることが多いらしいと言われている。
きっと家族に強い愛着が有ったから、生まれ変わっても尚、同じ家に生まれつくのでしょうね?
また、家(財産)に執着した人は、青大将(蛇)として生まれて屋根裏に住むこともあるらしい。
更には、庭の池の鯉に産まれたというものもある。
昔は見世物小屋があって、体の奇形を売り物にした小屋が有った。
それでは一体どの様な役者が居たのか?
肌に鱗があったり、顔や手が樹木で覆われたような半人半木のツリーマン、乳首が六つあったり、結合双生児、全身に熊の毛が生えていたりする者。
これは、人が何の因果か、反省の色が薄かった為に動物として生まれてきたのだが、死んでしまい、あの世で悔い改めて人間として生を受ける。
だが、反省の期間が短かったりすると、動物の名残を持ったまま生まれてしまうらしい。
それから…人間だったのに悪因で動物に転生させられたのだが、生活の中で、人間に無惨な殺され方をすると、もともと人間の魂だったものが、人間の心があるから恨み心を起こして、仇を取ろうとして憑依するのだ。
転生を決めるのは神様だからから、反省として仕組まれるのだ。
◇◇◇◇◇◇◇◇
あれから5年、義母智子は傷害致死罪が言い渡されていたが、同情の余地があると判断されて情状酌量で出所している。
それは、義娘美月が、食事を十分に与えて居るにも拘らず、好き嫌いが激しく、その挙句、盗み食いが治まらないので注意したのだが、聞き入れてもらえず、暴挙に出てしまったという事で、情状酌量の判決が下されたのだ。
この判決に地団駄を踏んで怒り心頭の美月。
「私に、まともな食事も与えず殴り殺しておきながら、もう出所して来ただと~?許せない!それから……食事を十分に与えて居るにも拘らず、好き嫌いが激しくその挙句、盗み食いが治まらないので注意したのだが聞き入れてもらえず、暴挙に出てしまっただと―――――ッ!毎日毎日おなかを空かせて、ヘトヘトな思いをさせておきながら————!許せない!」
こうして17歳になった立花美月は、恨みが治まらずマムシに転生憑依して屋根裏部屋に住みついた。
実は、埼玉県の一角にある倉庫で美月は、とんでもない目に合っている。
それもあって、現世で生き抜くためには、全く別の生き物に転生するしかなかったのだ。
一体どういう事?
蛇は化け物や怪物に化けて、ギリシャ神話や日本神話のヤマタノオロチなどの神話に多く登場する。
それだけ怨念の象徴にふさわしいのだろか?
女の怨念が行き付く先の面、それが『蛇』と言われている。
◇◇◇◇◇◇◇◇
こうしてマリア愛児園の施設長を殺害した暴力団関係者達も、抗争の挙句に殺害されて三途の川を渡ろうとしている。
悪人たちには、それは末恐ろしい末路が待っていた。
それは、それは、想像だに出来ないほどの惨い末路だった。
抗争抗争で人間を虫けら同然に殺害しているので致し方ない。
阿鼻(あび)地獄 / 無間(むげん)地獄
〔殺生、盗み、邪淫、飲酒、妄語、邪見、犯持戒人、父母・阿羅漢(聖者)殺害〕
最下層に位置する地獄であり、最も巨大で残酷な地獄である。
大きさは前の7つの『等活・黒縄 (こくじょう) ・衆合 (しゅごう) ・叫喚・大叫喚・焦熱・大焦熱』地獄よりも大きく、縦横高さそれぞれ8万由旬。
1由旬『約7マイル~9マイル(11・2㎞~14.5㎞)』
背丈が4由旬(約50㎞)64の目を持ち火を吐く奇怪な鬼が、今まさに真っ赤な炎を傍若無人に、四方八方勢い良く吹き荒らしている。
この灼熱地獄はまさに、炎の海だ。
燃え盛るデッカイ茹で釜には、罪人が今まさに突き落とされ茹で上げられ悲鳴を上げているが、釜番の鬼に押さえ付けられ。
「ギャッギャ――――――――ッ!」
炎が燃え盛る網焼き場には、無数の罪人たちが串刺しにされて焼かれている。
ジュッ!ジュ―――――ッ!
「ギャ――――――――――――――――ッ!」
その炎の燃え盛る中を、真っ逆さまに落ち続けて2000年間。
最下層の阿鼻地獄に無数の罪人達が、恐怖で顔を強張らせ悲鳴を上げて、落ち続けている。
「グアァ——ッアアア―――――――ッ!ギャ――――――――ッ!」
恐怖に苛まれながら物凄い勢いで、燃えたぎる釜茹に真っ逆さまに落ちていく。
その横では、炙り焼き、皮剥ぎや串刺しなどが、絶え間なく続いている。
血しぶきが飛び散り、目ん玉は焼かれて飛び出て炎の中に。
「ギャッギャ――――――――ッ!」
舌を抜き出されて100本の釘を打たれ、牛革の絨毯の様に広げられ、口の中に熱鉄の砲丸を入れられ、溶けた銅を注ぎ込まれる。
毒や火を吐く虫や大蛇に責めさいなまれ、熱鉄の山を上り下りさせられる。
「ガッガガガガ――――――――ッ!グウゥ~ッ!クッ苦しい!アアア アアア コッ殺してくれ—————ッ! 」
罪人達が剣樹、刀山に突き刺さり、血が飛び散り、口から血を吐き出しもがき苦しんで最後の悪あがきで、恨めしそうな声を張り上げ、あちらこちらで命乞いをしている。
「ギャッギャ――――――――ッ!タッ助けてくれ――――――――ッ!」
こうして、剣樹、刀山、湯などの苦しみを絶え間(寸分・刹那)なく受ける。
人間界の年月に換算すると3億1996万年となる間、この苦しみに耐えなくてはならない。
責め苦を聞くだけで、あまりのつらさに死んでしまう人がいるというから、要注意だ。
閻魔大王に阿鼻地獄行きの判決をもらうと、鬼が阿鼻地獄への穴へ放り込む。地獄に堕ちるまでなんと2000年もかかる。
地獄には、一面の業火と灼熱の鉄が降り注いでいる。
更には、「84,000のくちばしを持つ虫が5億匹も飛んでいる」そして…毒や火を吹いて襲ってくる。
当然、無期懲役である。
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