第4話⁂地獄!⁂
7歳の立花美月は、現世に引き戻され地蔵菩薩様の念力で、養護施設の従業員に拾われて養護施設でお世話になっていた。
そして…半年前に、これだけ美しい顔をクシャンクシャンに殴り、原形を留めない程の顔にして殺してくれた、義母(元真由美)智子に復讐する為に義母(元真由美)智子の元に向かった美月。
だが………私を殺害した罪で、警察に逮捕されて刑務所にいるらしい。
3歳の弟翼が「ママが殴った!」と言ったのだ。
まだ何にも分からない幼児だから、自分のママが不利になる事など分からなくて、正直に話したのだろう。
当然の如く父親に離婚された。
『いい気味だ!』
そして…12歳になった美月は、今尚、新潟県魚沼市の市役所から西に歩いて20分くらいの場所にある、クリスチャン系の養護施設マリア愛児園で生活をしている。
だが最近不吉な事件が、この養護施設で多発している。
この施設の子供達が、忽然と行方不明になっているというのだ。
それで恐ろしくなり、急遽逃げ出した。
どういう事かと言うと、
現在、中国には臓器売買の世界的な巨大マーケットが存在する。
また中国では子どもが病院から、連れ去られて人身取引される場合もあるらしい。
そして…以下のような強制労働、強制結婚、性的搾取など様々な人身取引犯罪がある。
人身取引の臓器売買では、被害者の命を奪う恐れがあり、はじめから殺害までの段取りに組まれている。
それでは、日本でも子どもの人身取引による臓器売買は起こっているのか?
日本では、厚生労働省の許可なく臓器を斡旋することは法律で禁止されており、また営利目的の臓器売買も禁じられている。
しかし日本においても、人身取引による臓器売買の被害は、少なからず生まれている。
こんな事例が報告されている。
生体腎移植売買仲介事件は、慢性肝不全を患っている『A』が、暴力団関係者を通じて臓器移植を実現させたもの。
『A』は、暴力団関係者から紹介を受けた人物と虚偽の養子縁組を行い、腎臓の移植手術を受けた。
そして暴力団関係者に合計で2000万円近い報酬を渡したのだが、この結果、『A』、ドナー候補、ドナー、暴力団関係者7人が逮捕され、9人が起訴される結果となった。
この事件で、日本における臓器売買に暴力団が関与していることが明るみになった。
このように日本においては、臓器売買の実態は未だ明確にはわかっていないが、
しかし上記に記した事件が氷山の一角とするならば、人身取引からの臓器売買も行われている恐れが充分に考えられるのだ。
特に親から売られる子どもについては、問答無用の保護を実現していく必要がある
また、実子誘拐ビジネスというものがあるらしい。
奥さんが子どもを連れてDVシェルターに逃げ込む。
↓
本当はDVなどされていない。
↓
DVをでっちあげる。
↓
逃げ切ると、自分の子どもを特別養子縁組で悪徳NPOに差し出す。
↓
悪徳NPOが海外に子どもを売り飛ばすという算段。
近年弁護士の増加による収入格差が広がり、悪に手を染める弁護士も少なからずいる。
そのために暗躍している弁護士が多数いるそうだ。
現在、海外に売り飛ばされた、子供達300人以上のほとんどが行方知れずになっている。
児童福祉法違反となる営利斡旋を行って、1件につき200万円近い金額を取っている。
残酷な話だが、このように営利目的で子供達が闇から闇に売り飛ばされている現実があるのだ。
養護施設マリア愛児園も、ご多分に漏れず営利目的で、このように子供達を闇から闇に売り飛ばしているらしい。
◆▽◆
〔菱本酒造〕の跡取り息子菱本拓也が配達帰りに、何とも美しく艶やかに咲き誇る桜を横目に家路を急いでいると🌸。*いきなり””フラフラ~””と車を横切る人影が………?
そして…美少女立花美月は、やっとの事助けられ一息ついたのも束の間。
……いきなり————
ボッカ――ン〷😰〷 グッシャ———ン🤮〷🥴〷//ドッス——ン🤕//〷//
いきなり黒のワゴン車がぶつかって来た。
拓也は脳振盪を起こして気を失っている。
その隙に目出し帽を被った謎の男が、立花美月を車から奪いワゴン車に乗せて一目散に逃げた。
あの目出し帽の男は、マリア愛児園の使いの者なのか?
そういえば、マリア愛児園の施設長が数日前から行方不明。
やはり金の亡者で、裏では悪事の限りを働いているこの男、表向きは恵まれない子供の救済と銘打って、とんでもない悪事を働いていたので天罰が下ったのか?
姿が忽然と消えた。
施設関係者の話を施設の子供の1人が、こっそり聞いてしまったらしい。
「どうも、マリア愛児園の子供を売り渡す報酬額の違いに激怒した施設長は、縺れに縺れて暴力団関係者に、殺害されたらしい」
そう聞いた施設の子供『B』は、怖くなって施設の友達数人に話した。
その話を耳にした美月は、急遽逃げ出した。
そして今、この目出し帽の男に連れられ、車はひたすら関東に向かっている。
「お願い助けて―――――ッ!」
「お嬢ちゃん僕は?僕は?人間では無い!」
「エエエ―――ッ!」
「ウッフッフッフ~!」
目出し帽の横顔から覗く視線に何か………?とんでもない違和感を感じる美月。
アァ~?何か気味が悪い。一体私をどこに連れて行く気?
一方の施設長はどうなってしまったのか?
………こんなにも日にちが経ったのに帰って来ないのは、当然の如く殺害されて地獄に落ちたに違いない。
◇◇◇◇
こうしてマリア愛児園の施設長は、暴力団関係者に殺害されて三途の川を渡ろうとしている。
仏教では、三途の川は現世である此岸(しがん)とあの世を意味する彼岸(ひがん)との境目にあるとされており、人が亡くなると7日目に、この川を渡ると言われている。
この時、生前の罪の重さにより、渡る場所が決まると言われている。
善人は金銀七宝で作られた橋を渡る。
罪が軽い罪人は山水瀬(さんすいせ)と言われる浅瀬を渡る。
重い罪人は強深瀬(ごうしんせ)と言われる深瀬を渡る。
強深瀬は上流からの流れが急で波も高いので、大きな岩が流れてきて罪人の体を粉々に打ち砕く。
しかしその体は修復され、また打ち砕かれるが、川底には恐ろしい大蛇が住んでいると言われ、その大蛇に食われる事もある、とても恐ろしい場所。
しかし、江戸時代の頃には「六文銭を持っていれば衣類を剥ぎ取られる事もなく、罪の重さで渡る川を決められる事もなく、善人が渡る橋を渡って行くことが出来る」と信じられるようになった。
では、あの世の船旅とも言える三途の川の渡し船にかかる「六文」は、一体どれくらい高額なのか。
文は江戸時代の通貨。
江戸時代は長く続いたため、価値は変動するので正確な価値は定かではないが、江戸初期の貨幣価値で、六文は現代の三百円程度のお金だったと言われている。
これなら庶民も安心。
◇◇◇
地獄に落ちた施設長は⑧阿鼻地獄に落ちた。
★地獄には八熱地獄と発寒地獄がある。
灼熱地獄、通称「八熱地獄」
八熱地獄は8つの地獄
①等活地獄
一番罪が軽く、地獄の中でも最も浅いところにあるのが等活地獄(とうかつじごく)。ここは生き物の命を奪った殺生を行った者が落ちる場所。
②黒縄地獄(こくじょうじごく)は殺生や窃盗を犯した者が入れられる地獄。
③衆合地獄(しゅうごうじごく)は簡単にいえば浮気や不倫をしたような人たちが落ちる地獄。
④叫喚地獄(きょうかんじごく)は飲酒をした罪人が入れられる地獄。
⑤大叫喚地獄(だいきょうかんじごく)は妄言をしたものが落とされる地獄になる。
⑥焦熱地獄(しょうねつじごく)は邪言(噓をつく)仏教の教えに反する考えをする、それを行動に移す事により落とされる地獄。
⑦大焦熱地獄(だいしょうねつじごく)。犯持戒人(尼僧・童女などへの強姦)をした者が落ちる地獄。
⑧阿鼻地獄ここは八熱地獄の中で最も最下層にあり、最も罪深い者が落ちる地獄。
施設長は巨大な何とも言えないおどろおどろしい城、鋭い刀の林、デッカイ銅の犬、8本角の牛に取り囲まれて逃げ惑っている。
尖った鉄の瓦が豪雨のように降り注ぎ体が粉々に砕かれている。
「ギャ――――――――ッ!タッタスケテクレ――――――――ッ!」
更には空腹に耐えきれず飢餓のために、自分の体を焼いて食べる者や、化け物の様な巨大な鳥につかまえられて石の山に落とされている。
また炎の歯を持った犬に噛み殺されたりと、幾重もの刑罰が日夜繰り返される。
「アアアアアアアアアア!クク苦しい――――ッ!ガガガガ――――――――ッ!タッタスケテ!助けてくれ――――――――ッ!」
施設長は地獄の責め苦に遭い、いつ終わるとも知れない苦しみに耐えて阿鼻地獄のキンキンに焼けた鉄の山から登ろうと必死になっているが、身体は溶けて肉の破片が散らばり、挙句には、焼けて真っ黒になり真っ逆さまに落ち。
「ギャッギャ――――――――ッ!」
それでも尚登り続ける。
更には、煮えたぎった釜茹でぐつぐつ煮込まれて鬼に食われているかと思いきや、肉の破片を今度は炙り焼きにされている。
だが、又再生して挙句には大蛇に飲み込まれ毒や火を吐く虫の大群に襲われている。
「ワァアアアアッ!グワーッ!ガッガガガガ――――――――ッ!コッ恐い!タッ助けてくれ――――――――ッ!」懸命に逃げ惑っている。
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