片割れの魔法石(2)

 実は、洋介も青の魔法石を見極めていた、本当に信じていいのか。自分の目で確かめ、腹を割って話したいと思っていた。まさか向こうから腹を割って話しをしてくるとは思ってもいなかった。しかし、なぜこのタイミングで身の上話をするのか。人の心を読めるなら、魔法の黄金の杖を託した時に、話せばよかったはず。

「青ちゃん、一つ、聞きたいんだけど、いいかな?」

「ダメー」

「ダメ……!?」

「だって、そうじゃない、みんな真剣に私の話を聞くし、リアクションはないし、なんか面白くないんですけど」

「はぁ!? 何言ってんだ、普通こんな話、ふざけて聞くか!? 真剣に聞くだろう!?」

「だって、みんないつも楽しそうじゃないの!? 私も一緒にお喋りしたかったの!?」

「なんか、めんどくさい奴だなー、それならそうと言えばいいだろう?」

「……だって……」

「だっては、禁止」

 すると、突然サクラがベンチから立ち上がり。

「私、青ちゃんの気持ちわかる。私もお城で1人だったから、友達いなかったし。それに、洋ちゃんみたいに、簡単に話しかけられたらいいよ!? できない人もいるだから……」

「そっか、そうだよな、悪かった、青ちゃん。じゃ、これから仲間ということで、で、本題って何? まさか、これが本題ってことはないよね!?」

「そうだけど、そっちが話の途中で質問するから、それにリアクションないし、やっぱりなんか、面白くないんですけど……」


 青の魔法石はぶつぶつと何か言いながら、話しの続きを始めた。


 私は、透明な球体に包まれて、黒の魔法の気配を感じながら、ゲーテ脱失しました。あいつが追ってくる、その恐怖を感じながら、青い光が見え。その時、たぶん防衛本能だと思うの、突然私が3つに分裂したの。宇宙を飛びながら、私は防衛の青の魔法石。その左には、制御の緑の魔法石。そのまたその左には、攻撃の赤の魔法石。3つが横一列になって、宇宙を飛び、あの青く光輝く星、地球に向かって飛んでいた。おそらく、3つに分裂することで、私、白の魔法石の気配を消したんだと思うの。


 そのことに、洋介たちは驚き。その中で、一番驚いたのは洋介だった。

「ちょっと待って、青ちゃんって白の魔法石だったの!?」

「そうだよ、がっかりした?」

「がっかりはしないけど」

「はぁ!? 少しはがっかりしてよね!? 白の魔法石だよ、白の魔法石!?」

「色が変わっても、青ちゃんは青ちゃんだろう!? 違うのか!? それに、あと2つの魔法石はどうなったの?」

「……わかない、あの2人、大気圏で離れ離れになったから」

「自分の魔法力で、探せないのか?」

「それが、探し方がわからないの、記憶にないのよ」

「……そっか、わかった、私がなんとかする、魔法で」

「魔法で!? そっか、洋ちゃんには、工夫とアイディアがある、でも、あと2つ厄介な問題が残ってるのよねー」

「厄介か!? 面白そうだな、その厄介な問題、なかワクワクするな」

「あのー、ちっとも面白くないんですけど」

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