魔法への想い(2)

 福山総理は、ざっと『魔法の未来』ノートに目を通し。このノートはまるでたたき台のように思え。

 魔法数はざっと2000以上あるが、これが本当にすべて可能な魔法なら、確かに世界の存亡に関わってくる。エネルギー問題はなくなり、カーボンニュートラルは簡単に実現され、地球温暖化は解消され、世界で問題になっているあらゆる問題も魔法で解決できる。

 それにしても、素晴らしい魔法だな、目のつけどころもいい。このアイディアは、映画やアニメの影響が大きいな。客観的な視点から判断断し、注意事項や問題点も書かれている。それに、この鉄壁の防御魔法がある限り、どんな攻撃にも負けない。この防御があれば、誰も戦争など起こそうなんて気にもならい、考えもなくなる。

 しかし、問題は大勢の失業者どう解決するか。極端な話、それさえ問題解決すればあとはなんとかなるはず。


 洋ちゃんは、この国を魔法と共存するモデル国として、国造りを実現させると望み。そして、魔法を使えばそれを簡単に実現できると言うが、彼はそれを望んでいない。この国は民主主義の国、それをやってしまえば、単なる自分の身勝手にすぎない、それは国造りとは言わない、ただの独裁国家だ。だからと言って、魔法界を否定するつもりはないと言っていた。

 洋ちゃんの考えは、魔法の存在を国民に知ってもらい、大型国家プロジェクトを立ち上げ、国民の声を聴き、魔法と共存する国造りを実現して行き、魔法の種類の設定の見直し、魔法の法律、魔法省の設立、魔法警察、魔法大学・魔法学部などを盛り込んでいく。

 となると大型国家プロジェクトのリーダーは、洋ちゃんということになる、他の者では勤まらない、青の魔法石それを許さないだろう。総理として、魔法と共存する国造りを基本方針に新たに加える必要が出てきたな。

 しかし、肝心な魔法大辞典の管理だが、黄金の杖を持つ者だけがその管理を許され。それを決めるのは、青の魔法石だけ。やはりそうなるか、青の魔法石には逆らえないということか。まぁ、逆らうつもりもないけどね、私たちの味方のようだし。


 魔法の安定性は、王の話によると、1000年は確実に大丈夫だと、私が保障すると言いた。ただ、それ以上は青の魔法石に確認しないとわからないが、おそらく半永久的に大丈夫だとも言っていたな。そして、魔法界では、争いなど起こらない国、とても平和な国だったと、すべては魔法で守られていたと。

 しかし、日本がモデル国になる前に、モデル都市の実現か、確かにいいアイディアだな、さすが洋ちゃん。それにしても、魔法界の住人たちをこの東京に住まわせるとは。


 面積は奄美大島と同じくらいで、円形状の魔法の浮島を伊豆大島と近くに浮かべ。魔法による反重力システムを使い、島を浮かせ、津波、地震、台風などの自然災害は魔法で守られ、どんな敵からも魔法で魔法島を守ってくれる。

 これは余談なのか、月に瞬間移動し、月でも暮らせ、誰も手が出せない、なんか面白いな。これって、逃げるが勝ちということか、決して卑怯ではないな、これも防御のうち、ということになるのか。

 そして、魔法界の住人たちは約3万人、日本全国から1万人を募集し、約4万人を魔法島に住まわせ。魔法を学び、魔法教師を育て、魔法との生活を体験し、そのデータを元に改善点を見つけ出し、2年で結果を出す。

 その1年後、魔法の法律を確立させ、魔法省の設置、各都道府県に魔法管理局を設置する。魔法のすべてのトップが、洋ちゃんということになる、なるほどね。

 ところで、魔法警察はどうするんだ。攻撃魔法がなくても使い方によっては、魔法が武器になり犯罪に使われる可能性もある。

 確かに、魔法にセキュリティシステムを持たせれば事件は起こらない。果たして可能なのかは、これから検証するという訳か。

 そうなると魔法警察はいらないことになるが、要は使い方を謝らなければいいだけのことなんだが、洋ちゃんはそのへんを悩んでいるようだな。魔法は人を傷つけてはならない、安全第一を目指すか。


 あとは、各都道府県に魔法大学・魔法学部を設置し。魔法学部は魔法免許の種類によって1年制から4年制を考え。そして、世界中に向けて魔法をSNS、メディアなどで発信し、魔法島を紹介する。ワクワクするな、世界中の度肝を抜くというシナリオのようだな。


 魔法への第一歩は、大まかだがこんなところだろう。しかし、青の魔法石はいったい何者なのか。この世界の者ではきないことは間違いないはず。そのことを洋ちゃんたちは、わかっているはずなのに、そのことには何も触れない。まてよ、そういうことか、夢とロマンか、なるほど、聞くのは野暮ってことか。

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