洋介とサクラ、特A魔法士を目指す(4)

 サクラの能力なら洋介より、ずっと早く特A魔法士になれはず。一刻も早く過去に戻り、魔法界の住人たちを助けたいはず。ただ、過去に戻っても黄金の杖持ち主でないと助けることはできない。それだけの魔法力がないと魔法界には入れない、助け出すこともできない。そこで、2人して足並みを揃えて特A魔法士を目指す。


 そんな状況にも関わらず、サクラは親友のリリカの言葉を信じ救われていた。

 私の目に狂いはない、洋ちゃんなら大丈夫信じなさい、きっとうまくいく。だって、青の魔法石が認めた人だから。この言葉に安心を覚え、楽しく過ごせている。

 そして、この世界を動かしている電気に興味を持ち、電気とは何か、科学とは魔法のようなもの。この世界に何か貢献したい、私にできることは魔法しかない、そんなことを考えていると。ふと魔法と電気、これって融合できるかもと思い。午後10時30分、サクラは自分の部屋でパソコンに向かい、いろいろと調べていた。


 翌朝、洋介は店の仕事をちょっとだけすると。午前10時を過ぎ、4人には魔法空間の体育館に移動し。洋介は、昨日の続き、浮遊魔法を使い、針に糸を通す練習、ピンポン玉を自由に動かす練習、跳び箱10段を組む練習、床の雑巾がけの練習を始めた。


 その5分後、針に糸を通す練習、ピンポン玉を自由に動かす練習、跳び箱10段を組む練習、床の雑巾がけの練習を次々とクリアして行った。

 この光景に、サクラは拍子抜けをしている。この人はできる人なの、昨日とはあきらかに何か違う、わからない。そのことを聞いてみると。魔法を目の当たりにしてワクワク増し、集中力が散漫だったと言い。それは言い訳に過ぎない、いろんな状況に対応できるようにしなければならないと言う。そして、魔法使いはメンタルが強くなければならないとも言う。


 サクラはこのことに、急にどうしたの、何かに目覚めたの、と思うくらいにちょっとあっけにとられていると。洋介は、浮遊魔法に磨きをかけるために、正確性とスピードアップ図るために練習を始め。その姿勢にサクラは、ちょっと感動し、この人は努力の人なんだと思った。


 洋介は、風花にタイムを測ってもらい、着実に浮遊魔法に磨きをかけ、2日で5つ同時に浮遊魔法を使いこなせるまでに成長し。その成長ぶりに、サクラはまたちょっと感動し、これなら2級魔法士試験を受けても大丈夫だと思った。


 2級魔法士とは、浮遊魔法を使い、職業に生かすことを言い職業魔法とも言う。

 例えば、料理経験者が、2級魔法士になると、浮遊魔法を使って魔法で料理してもよい。1人何役の料理人をこなすことも可能になり、人件費が浮く。但し、味に関しては、その人の腕次第ということ。この魔法を使う場合は、浮遊魔法の料理呪文を唱える。


 2級魔法士試験は、試験官が当時試験内容を発表し、3つの試験を規定時間内にクリアできれば合格。これに合格すれば、職業魔法試験を受けることができる。

 例えば、浮遊魔法の料理呪文を唱え、ちゃんと料理が完成しないとクリアにならない。但し、味は別とする。

 例外として、1級魔法士試験を受ける目的がある場合のみ、職業魔法試験は受けなくてもよい。2級魔法士試験に合格しないと、1級魔法士試験を受けることはできない。


 この場合、洋介とサクラは、職業魔法試験は受けなくてもよい。洋介は、魔法を信用している。しかし、職業魔法試験は受けなかった。

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