魔法のあるべき姿(3)
魔法使いといえば、思い出すのがあの魔法映画だけど。魔法使いの存在を受け入れ、共存する世界にするには難しい。なぜ難しいのか、魔法は武器になるから。洋介の魔法には攻撃魔法がなく、魔法使いを1つの職業と捉える考え方。誰でも魔法使いになれる機会が与えられる。
魔法は、使い方を謝れば悪にもなる。良い使い方をすれば幸せを呼ぶこともできる。即ち、使い方次第で善にも悪にもなる。怖がっては前に進めない。洋介の考え方は、やってみる価値はある、夢のアイテム。島田主任たちは、そんなことを思っていた。
洋介は、魔法復活計画の概要というか、魔法のあるべき姿というか、部分的な説明になったが、もちろんちゃんとした魔法復活計画書を作る。ただ、文章力があるとは言えないので、魔法で自分の考えをまとめ、プレゼンできる魔法があればいいなと思いながら、従業員たちにあるお願いをした。
私は、あの店を守る責任がある、みんなを守る責任もある、鑑定士の仕事もある。正直、魔法がその上を超えて行きそうで、吞み込まれて行きそうで怖い気もする。しかし、私は、魔法界の住人たちを、サクラちゃんの両親を助け出す方法を知っている。このまま見捨てる訳にはいかない。
そこで、私が特A魔法士のレベルになるまで、私に時間をくれないか、頼む、この通りだ。洋介は、深々と頭下げている。
すると、この光景に島田主任は、ちょっと情けなく思い、ソファーから立ち上がり。
「洋ちゃん、頭を上げてよ!? うちら家族だろう? みんな協力するに決まっているだろう? みずくさいなー、で、どのくらいかかるの? 特A魔法士のレベルになるまで」
洋介は、頭を上げると、目頭を熱くさせていた。
「1年、いや、半年し、いや、違う、3ヶ月で特Aになってみせる」
「わかった。みんな、そういうことだ、よろしく頼む」
みんな、快く協力すると言い。島田主任は、魔法で気になることがあり、洋介に聞いた。
「洋ちゃん、骨董品を鑑定する魔法ってあるの?」
「ない。光ちゃん、そこには夢やロマンがあるか? 確かに、鑑定魔法をつくればあるけど、鑑定魔法のレベルはその人の鑑定レベルと同じだよ。例えば、料理が作れない者に、料理の魔法をかけても作れないということ」
島田主任は、この答えになるほどと思い、妙に納得していると。洋介の隣にいるサクラは、目頭を熱くさせ、みんなを見ながら。
「皆さん、私のためにご協力ありがとうございます」
サクラは深々と頭下げ、洋介は何か不満そうな気分で。
「サクラちゃん、そこは、洋ちゃん、ありがとうじゃないの?」
「……」
「無視かい!?」
その光景に島田主任は、サクラに親指を立て、ナイスと思い。サクラは洋介の方を向くと、いじけそうなので。
「冗談よ、冗談、洋ちゃんには感謝している。洋ちゃんに出会わなければ、私はあの木箱に入ったままだった。さすが、青の魔法石が認めるだけの人だよね。最強の魔法使いになる人だもんね」
「そうか!? 別に私は、最強になりたい訳ではないのだが、褒めても何も出ないぞ、夕食にお寿司を頼んだけど」
クラッカーの出番がなくなった従業員たちは、美味しいビールとお寿司が食べられると喜んでいると。ふと従業員の1人が、今のうちに俺たちも魔法使いになった方がいいじゃないの、大学に行く手間が省けると言い。それを聞いた島田主任は、それは野暮というものだよと言い、サクラと洋介を結婚させたい想いが消えない。
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