魔法のあるべき姿
魔法のあるべき姿(1)
洋介の自宅のリビングには、従業員たちが集まり、各々椅子やソファーに座り、何かそわそわしている様子だが。
洋介とサクラは、窓際に2人並んで立ち、洋介は一歩前に出ると、真剣な表情に変わり。
「みんな、今から話すことは、絶対に他言しないように、みんなを信じて話します」
この時、従業員たちの頭の中は「他言!?」、なんで他言なの、どういうこと、結婚の発表じゃないの、困惑している。
そんなことなど知らない洋介は、みんなの顔を見ながら昨夜の出来事を話した。
すると、洋介の真剣な態度と喋りに、従業員たちは冗談を言っているとは思えず。それを裏付けるかのように洋介は、風花とリリカを呼び出し。従業員たちの目の前に2人が現れ、風花とリリカは自己紹をすると。魔法でもないと猫が喋る訳がないと従業員たちは、洋介とサクラを信じ、魔法の存在を信じた。
島田主任は、魔法に興味がある。ただ、サクラさんがここに来て、たった1週間だが1年以上にも感じ、あの2人ならお似合いだと思っていた。しかし、2人の関係が他国対応魔法によるものだとわかり、ちょっとがっかりしていると。従業員たちのポケットには、サプライズのクラッカーを忍ばせ、このあとのビールを楽しみにしていたが、魔法の話で盛り上がり。従業員の1人が、テレビボードにあの魔法映画のDVDが置いてあることを思い出し、DVDを再生すると。サクラはテレビの前に立ち。この風景は、魔法界に似ていると言い、故郷を思い出していた。
洋介は、その光景を見て、やはり魔法界に帰りたいのかと思い。そりゃそうだよね、帰りたいに決まっている。でも、サクラには申し訳ないが、魔法界は復活できない。また同じこと繰り返しになるだけだ。しかし、魔法の世界は復活させたい。そのためにもみんなの意見を聞く必要がある。
私の独断と偏見で、魔法で魔法の世界をつくる訳にはいかない。確かに、それが1番確実で手っ取り早い。しかし、それではあまりにも身勝手な行為だ。だから、誰でも自由に魔法使いになれる場所をつくりたい。そのためにも私が魔法使いにならないといけない。
いや、ちょっと待てよ。なんで私は魔法使いになりたいんだ、私は鑑定士だ。両立すればいいか、そういう問題ではない。確かに、高校の時に魔法使いになれるものならなりたいと思った。それに、魔法界の住人を助ける方法を思いついた以上は、ほっとく訳にはいかない。そして、なぜか魔法を衰退させる訳にはいかないとも思い。昨夜から考えていた魔法復活計画の概要を話した。その前に、従業員たちに1つ質問した。
「この中で、魔法使いになりたい人、いる?」
すると、従業員たちは魔法使いになりたいと言う。洋介は、魔法使いになりたい理由を聞くと、ラクして暮らせるからと言う。やはりそういう感覚になるのかと思っていると。島田主任は、魔法使いになるかはともかく、過去に戻って私の鑑定に間違いがないか、本人に直接聴いてみたいと言い。洋介は、がっかりするが、光ちゃんらしいなと思い、そこにはロマンや夢はないと言っていた。しかし、過去に戻って、本物をたくさん見て見たいという気持ちにはなる。
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