木箱の正体(3)

 魔法界は消滅した、それなのに魔法という言葉は生きている。しかし、魔法は架空の存在でしかない、魔法は滅びる運命なのか。

 洋介は、新たに誕生した魔法の生みの親。この魔法は、魔法界の魔法に似ている。そして、この世界には魔法に匹敵する科学がある。ある意味科学は魔法と言っても過言ではない。


 洋介の隣に座るリリー王女。洋介はリリー王女に、なんの魔法をかけたのか。復活した青の魔法石によって、無意識に洋介はリリー王女に他国対応魔法をかけた。

 洋介が考えた他国対応魔法とは、他国に侵入するための都合のいい魔法。おもにスパイようだが、いろいろと応用が効き、すでにその設定は動き出している。


 この世界では、リリー王女に国籍はない。魔法界から来たとは言えない。とりあえず魔法のことは伏せておきたい。

 その理由として、魔法はある意味嫌われる存在、恐ろしい存在。魔法は、使い方を謝れば悪にもなる。良い使い方をすれば幸せを呼ぶこともできる。即ち、使い方次第で善にも悪にもなる。

 そこで、この世界に来た以上は、この世界のことを知らないと生きていけない。ここは日本ということで、日本で生きていく設定が必要となる。リリー王女は、一応イギリス人で年齢は23歳で独身。


 他国対応魔法の大まかな設定は、名前も姿も日本人女性となり。名前は、松本サクラ、年齢は23歳で独身、東京都生まれの児童養護施設出身で家族はいない。

 サクラは、高校卒業後、これからどうやって生きていくのか、いろんなバイトをしながら夢を持つ素晴らしさを知りたくて、自分の夢を探していた。

 そんな時、養護施設長の知り合いだった洋介に、何かいい仕事がないか聞くと。ちょうどバイトを探していることを知り、サクラを紹介した。

 すると、洋介はサクラを雇うことを決め、お金がないことを知り。サクラは洋介のところで住み込みで働くことになった。


 サクラの記憶は2つ共存する。魔法界の記憶と他国対応魔法の設定記憶。


 サクラは、いろんなバイト経験者ということで料理も得意。明日は、お花見ということで、みんなの分も一緒にちらし寿司を作り、一緒にお花見に行くことになっている。

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