木箱の正体(2)
魔法はどうやって誕生したのか。1人の男が、魔法の原動力となる青の魔法石を洞窟で発見したことから始まる。
男は、青の魔法石に手に洞窟を出ると。突然晴れていた空が曇り出し、大粒の雨が降ってきた。男は、日照り続きの畑に雨が降ればと願っていた。
魔法石から生まれた魔法の杖は、正義の剣の意味を持ち。魔法の杖を呼び出す呪文を唱え、その手に魔法の杖を手にした者だけが魔法使いになれる。
魔法を生み出した男は、魔法は便利な道具、魔法を独占せずに多くの人々に魔法の良さを知って欲しいと思った。しかし、周りでは争い事が増えている。もし魔法を戦いの道具にされたら。もし魔法はまやかしの道具と思われたら、誰もが怖がり、忌嫌われるかもしれない。急に不安が押しよせ。だったら、魔法は当たり前に存在する世界、争いのない魔法の世界をつくればいい。
男は、魔法で国全体を見えないバリアでとじ込め。魔法は当たり前に存在する世界にすると。本当の世界から魔法界を見えなくし、ここが本当の世界だと記憶をすり替え、完全に孤立させ。魔法でお城をつくり、地下深くに青の魔法石を魔法で隠し、魔法の生み出し方を封印し。このことを魔法界の住人たちは知らない。魔法によってつくられた世界だと誰一人思わない。現実の世界だが、偽りの世界。この時、魔法はすでに完成していた。魔法界の文明は1000年前から何も変わってはいない。
そんな、平和な魔法界に転変地異が突如起った。
魔法でつくられた建造物が次々と崩壊し始め。青空にブラックホールが突如出現し、地上のあらゆるものがブラックホール吸い込まれていく。その光景をお城の窓からリリー王女は呆然と立ち尽くし、魔法が使えず何もできないまま、崩壊していく魔法界を見ている。
すると、リリー王女の背後にまるで光を失ったかのように薄らと青く光る魔法石が宙に浮いている。その数分後、お城も地響きを立てながら崩壊し始め。青の魔法石は最後の力を振り絞り、リリー王女を巻き込みながら、魔法の木箱に身を隠し。魔法界と本当の世界の裂け目から魔法界から脱失し。リリー王女は眠りから目が覚めると、洋介の書斎にいた。助かったのは、リリー王女と使い魔と青の魔法石だけ。
地図上では魔法界はイギリスにあったはず。なぜ1万キロ以上離れた日本にあの木箱があったか、まったくわからない。
しかし、青の魔法石を隠していた魔法が解け、わかったこともある。なぜ魔法界は崩壊したのか。
原因は、魔法界に存在する自然エネルギーが底をついたため。もし魔法でつくられた世界でなければこんなことはなかった。自然エネルギーがなくなることは、この地球が崩壊すること。青の魔法石のエネルギーは自然エネルギー。
青の魔法石は、本当の世界で自然エネルギーを吸収するために魔法はリセットされ、再び蘇った。そして、洋介の眠っていた潜在能力とリンクし魔法は新たに復活した。
その証拠が、魔法を生み出す者にだけ与えられる、黄金の魔法の杖を手にしていること。テーブルの上には、光を取り戻した青く輝く魔法石。今までになかった、魔法のすべてを記した魔法大辞典。そして、洋介が高校生の時に、魔法ものの映画を見て、ノートにオリジナルの魔法を書き出したノートが並んでいる。
この魔法大辞典は、魔法を追加したり、削除したりできる。もちろん魔法には、できることと、できないことがある。
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