第8話 次は……。


 警察官たちが僕の家の中をウロウロと、調べ回っている。

 そんな中、僕のお母さんからの電話を受けたお父さんが、出張先から急いで帰ってきた。


「宏美、一体どーゆー事なんだ?」


 家に戻ってくるとすぐ、お母さんの肩をつかみ、僕のお父さんがお母さんに聞く。


「ーー京一郎は……?!一体何があったんだ!?」 


 お母さんは、お父さんの質問に対して、僕の体が見つかった場所を指さしている。


「あなた~~」


 お母さんが突然泣き崩れた。

 震える声で、お母さんが分かる範囲での説明をする。……と言っても、今分かっている事はかくれんぼ中に、僕が殺された。と言う事くらいだ。


「わからない……わからないの……子供たちでかくれんぼしてたら、我が子の京一郎がこんな姿になっていて、今、警察の人が原因を調べてくれているの」


 僕のお父さんとお母さんが、そんな話しをしていると、幸雄くんが壁を見つめて小さな声で、話し始める。


「ーーどうして京一郎くんは、こんな姿になってしまったの?!」


 突然、幸雄くんがそんな事を話し始めた事で、裕太くんが心配そうに話しかけた。


「おい、幸雄くん……誰に話しかけてるんだ?!」


 幸雄くんが裕太くんの耳もとで、何かを囁いている。裕太くんの耳もとで何を言っているのか、僕には聞こえなかった。


「ーーえ?何だって?!」


 幸雄くんの言葉に裕太くんが大声を上げる。


「ーー主がそう言っているのか?!」


 裕太くんが小さな声で言う。


「そうなんだ」

 

 幸雄くんがそう言った後で、突然、大きな叫び声を上げた。


「ーーうわぁぁぁぁ」


「おい、幸雄ーーどうしたんだ?」


 隣にいた裕太くんが、幸雄の肩を抱いて続けて声をかける。


「幸雄……幸雄……シッカリしろ……幸雄」


 裕太くんがくり返し、幸雄くんに呼びかけていたら、幸雄くんの声が突然いつもより低い地響きのような声に変わった……。


 僕には、幸雄くんの体の中に、主と名乗った男の子がスーッと入っていったのが見えた。

 幸雄くんの体は今、主に乗り移られているんだろう。


「どうしたの?!幸雄くん……」


 僕のお母さんが聞いた。すると、幸雄くんが僕のお母さんに言った……。


「ーーツギはオマエだ」


 次の瞬間、この家にいるみんなが言葉を失い、僕の変わり果てた姿を呆然と見つめていた。


 終わり。

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かくれんぼ、ホラー版 みゆたろ @miyutaro

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