第5話 眠い

 鬼は裕太くんに決まった。

 初めての僕の家で、鬼として僕らを探すのは変な気分かも知れない。


 僕と幸雄くんが、急いで隠れる場所を探し、僕はベッドの下に隠れた。

 幸雄くんはどこに隠れたんだろう?


「もーいいかい?」


 鬼の裕太くんの声が聞こえる。


「もーいいよ!」


 不思議と隠れている僕と幸雄くんの声が重なった。


「よし、すぐに見つけてやるぜ!」


 裕太くんがそう言ったのが聞こえてきた。

 足音が迫ってくる。


 ドキドキする……。


 数秒後、鬼である裕太くんが大きな声を出したのを僕は聞いた。

 

「幸雄、みーっつけ!!後は、京一郎くんだけだな……」


ーーどうやら、幸雄くんが見つかってしまったようだ。


 家の中でやるかくれんぼは、何か探しにくいな、と感じる。

 僕なら探すことを遠慮して、友達を探せないかも知れないと思った……。


 鬼は裕太くんだ。

 まずは1階をすべて調べて歩いている。

 

「京一郎みーっ……あれ?いない……」


 裕太くんは僕を見つけたと言おうとした言葉をいないに言い変えたのが1階の方から聞こえてくる。

 足音も聞こえて来ない。多分、まだ1階を探しているんだろう。


 ーー僕、だんだんと眠くなってきた……。


 トントントントン。

 足音が聞こえてくる。その足音が、僕にはとても心地よくて、余計に眠くなってきて眠ってしまった。










 

 


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