第18話 隠しダンジョンの入口

テスラ達を仲間にしたアル達は、悪魔と戦っていた元の場所に戻っていた。


「さぁッ!気を取り直して、隠しダンジョンの攻略を開始するぞぉぉぉッ!隠しダンジョンなんて初めてだから、ワクワクするぜッ!」


…シャイニング・フォース(光魔法)…


アルは光魔法で生み出した光のオーラを身に纏い、ダンジョンの隠し部屋を目指して全力疾走し始める。


「アル様、そんなに急ぐと転びますよ。」


…ウインド・ブースター(風魔法)…


ザックは移動速度向上の風魔法を使い、アルについていく。


空を飛んで並走していたヴァンは、アルに話しかける。


『アル、テスラ達を置いてきて良かったの?あんなに”こき使ってやる”って言っていたのに大丈夫?♪今頃、あの空間でゴロゴロしてるかもよ?』


アルは、鍵を取り込んだ時に右手の甲に刻まれた紋章をヴァンに見せながら答える。


「大勢で移動すると小回りがきかなくなるし、いつでも呼べるから常に一緒にいる必要ないからな。きたるべき時がきたら、ちゃんと“こき使う”から大丈夫だぜッ!」


ヴァンはニヤニヤしながら自分の紋章に向かって話しかける。


『なんだかんだ言っても、アルは優しいんだよ♪良かったね♪優しい主様で♪』



「オッ!ここが隠し部屋の入り口かッ!」


アル達はテスラから教えてもらった隠し部屋の入口のある場所にたどり着いていた。


ザックは注意深く部屋の壁を調べ始める。


「見た目は完全に行き止まりの通路ですからね。それにしても、あの悪魔達は良くこの道を見つけられましたね。」


ザックの言葉にヴァンが懐かしそうに昔話をし始める。


『大分昔の話だけど、テスラの前の主は悪魔族だったんだ♪それで、伝承が書かれた何かをアイツらが魔界側で見つけたのかも知れないね♪いやぁ~♪懐かしいな♪敵としてテスラと戦った時は本当に厄介だったよ♪蟻地獄みたいに空間に引きずり込んで一人一人殺していくんだ♪…だから、アルがテスラに拐われた時は本気でキレたよね♪オッ♪スイッチはここかな♪ポチッとな♪』


天井を調べていたヴァンは隠されたスイッチを発見すると、迷いなく押した。


…ズズズズッ…ズズズズッ…


魔法陣が浮かび上がり、転移門が出現した。


「転移型の隠しダンジョンへの入り口かぁッ!テンション上がるぜッ!あの悪魔も封印の紋章と特技指南書しか回収していないっぽいから、きっとお宝もガッポリだぜッ!いくぜッ!みんなッ!」


三人は揃って転移門を潜った。


「本当に、アル様はブレませんね。でも、未知のマジックアイテムがあったら大発見です

よ。気合いを入れて探索せねばッ!」


アルと同じように目をキラキラさせたザックを見たヴァンは嬉しそうに呟く。


『そうそう♪ブレないところもアルの良いところなんだから♪しかし、ザックもアルに似てきたね~♪』

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