白銀の天使、お風呂で襲われる
「ふぅ……久しぶりのお風呂は気持ちいいですわね……」
今日の疲労が体から抜けて、お風呂の水に溶けていく。カレンがお風呂を堪能していると、急に浴室のドアが開いた。そこには、一糸纏わぬ姿のアイリスが居た。
「天使様!?」
「あ、あの……あたし、友達が一人も居なくて……その、裸の付き合いをすれば友達だと、パパが……」
「はぁ……それなら一緒に入りましょう」
「はい! ありがとうございます」
「あ、友達なら敬語禁止ですわ! それと、カレンとお呼びくださいませ」
「う、うん! あたしも天使様じゃなくて、アイリスと呼んでね」
今までアイリスには友達が居たことがなく、家族以外は基本的に丁寧な口調で話していのだ。そして、アイリスは初めて敬語じゃない話し方をした。
(初めての友達だ……!)
そのまま二人は他愛のない話を続ける。しかし時間が経つにつれ、カレンの口数が減ってきた。
「カレン? どうしたの?」
カレンはじーっと、アイリスを見る。
銀色に輝く美しい髪、どこか妖艶さを感じる紫の瞳、いやらしいほど真っ白な肌のアイリス。
「アイリス、あなた可愛いわね……本当に」
カレンの瞳がハートになり、突然アイリスの胸を鷲掴みした。
「カレン!? なにするの!」
アイリスは、驚いてルビーを落としてしまう。
そして、カレンの手は胸から離すことがなく、そのまま揉み始めたので、んっ……とアイリスから声が漏れる。
「ふふっ、女同士だからいいわよね……はぁ、はぁ」
カレンの息が荒くなり、徐々に大きな胸を揉む力が強くなっていく。
「あぁん……! や、やめてぇ……」
「あら、綺麗なピンク色ですこと」
きゅっと、左右のたわわな肉の果実の先端をつまむ。
「んんっ……!! つまむのだめぇええ……!」
※続きは父親によって消されました
「はぁ、はぁ……いい加減にして!!」
落としたルビーを拾い、手をグーの形にして殴る。
そして、カレンは天井に突き刺さった。
◆◆◆◆
「まったく……天井に穴が空いててびっくりしたぞ」
「ごめんなさい、ぱぱ……」
「まぁ、仕方ない……ん? 首に赤い痣があるぞ。虫にでも刺されたか?」
「な、なんでもない!!」
アイリスは顔を赤らめて声を荒らげる。
「うーん、お星様が見えますわ……」
カレンは気絶していた。
「そういえば、パバが不在の間、荷物がいっぱい届いてたよ。二ホン? という場所から」
「おー、たくさん漫画やラノベが届いたな」
大きな木箱の中には、アイリスが読めない字で書かれていて、男性や女性が描かれている本がたくさんあった。
「これがニホンゴ・・・? あ、パパの言っていたマンガやラノベもたくさんあるね!」
「日本!? 漫画!? ラノベ!?」
アイリスの言葉で、突然カレンが目覚めた。
「知っているのか? もしかして、カレンちゃんも転生者?」
「……はい、転生者ですわ。アイリスの義父様も?」
あぁ、とアイリスの父親は答える。娘のアイリスは「カレンも!?」と驚愕していた。
「えぇ、よく知っていますわ……というより漫画、ラノベが大好きなんですの! 前世でよく読んでましたわ。まさかこの世界に存在するとは……配信といい、日本のサブカルチャーが多いですわね」
「まぁ、漫画とラノベはここにしかないけどな!……お、この漫画知っているか?」
「あ! 有名な作品ですわね」
ペラペラと漫画をめくる。
「え、主人公の能力の名前、違う名前でしたの!?」
「お、おい! まだ読んでないんだ。 ネタバレはやめろー!」
2人は漫画の話で盛り上がっていた。
「日本かぁ、あたしもいつか行きたいな……」
◆◆◆◆
その日、カレンは懐かしい夢を見た。
それはカレンの前世。漫画やラノベが好きだったカレンは、友人と楽しい日々を過ごしていた。突然の交通事故で亡くなるまでは――
次に目が覚めた時は、見知らぬ部屋だった。声を出そうとしても、うまく声が出ない。そして、自分が赤ん坊になっていることを知る。
それから数年後、学園に通い、また友人ができた。しかし、とある事件のせいで、故郷から追放されることとなる。出発の前に、荷物を纏める。
そこで、置いてきた石のことを思い出す。それは――
◆◆◆◆
「アイリスのお父様、大事なお話がありますの」
起床したカレンは、アイリスの父に話しかける。アイリスはその場に居なかった。
「なんだ? 娘ならやらんぞ」
「ち、違いますわ!……わたくし思い出しました……ダイヤモンドを見たことがありますわ」
「本当か!? いつ? どこで?」
「お、落ち着いてくださいませ!! 場所は、以前住んでいた王都ですわ」
「すまない。……やはり王都か! ありがとな、カレンちゃん」
次の行き先は王都だな、と決めたので、娘を探す。
すると、ローブ姿のアイリスが慌てて家に戻ってきた。
「大変!!」
「どうした?」
「あたしとカレンちゃん、指名手配されている!!」
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