(三)-2

 玄関先で、雪の粉を乗せた帽子を被りながら、郡家君は玄関に入ってきて、「これ、三浦典子さん宛」と紙片を突き出した。

「誰から?」

 私の口からそう出てきた。半分は国英さんであることを期待して。残りの半分は、実際には違うのだろうという諦めの気持ちで。

 郡家君は黙ったままだった。

 ともかく私は郡家君から二つ折りの紙片を受け取った。そして紙を開いて中を見てみた。

 送り主は、福島県平市内にある病院からであった。病院が私に、一体何の用であろうか。 まさかとは思うものの、ともかく何が書いてあるかは読んでみないとわからない。だから私は本文の欄を見た。


(続く)

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