(三)

 十二月に入ると、雪が降った。収穫を終えた田畑にも雪が数センチ積もっていた。幸い私が住む地域は豪雪地帯ではなかった。洞爺湖の方まで行くと雪は深いが、山を下りればそんなには積もらない。

 そんな季節にも郡家こおげ君は郵便を届けてくれていた。しかし届けられる手紙の差出人に、国英さんは含まれていなかった。

 雪がぱらつく土曜日の午後にも郡家君が来た。土曜日は午前中で仕事が終わると聞いていたけど、このときは午後三時頃にやってきたのだった。


(続く)

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