主人公・春人は、男女問わずの人気者・草壁さんに告白されます。
片膝をつき、片手を差し出すような王子様然としたポーズで、
「好きです」――と。
草壁さんは、砂糖菓子のように甘く、小柄で愛らしい女性です。
なのに、ぴんと背筋を伸ばした姿は凛々しく、告白の声は囁くようでありながらも、よく響くイケメンボイス。
……既に、何かおかしいです。
しかし、春人はOKと答えます。
「付き合っていくうちに気持ちが動いていくかもしれない」と思ったためです。
――が。
「何故、私の告白を受け入れるんだい!」と、告白してきた草壁さんが、キレます。
わけが分かりません。
……正確には、わけが分かりません【でした】。
草壁さんと、共に時間を過ごしていくうちに、何故、草壁さんが怒ったのか分かるようになっていきます。
人と向き合うこと、そして、人を好きになること。
それは、時に大変かもしれないけれど、素敵なことだなと、思わずにはいられない物語です。