【風に散る短編】山猫騒動(あとがきと元ネタ)

 

 さて、風に散る短編の「山猫騒動」ですが……

 これには元ネタがありまして。

 

 

 或る日、二本松藩士日夏孫右衛門好辰(250石)が、土湯温泉に遊んだ帰路でのこと。

 城下まであと少し、という塩沢の休石原付近を通りかかりました。

 この日、好辰さんは宿直当番で、めっちゃ急いでいたそうなんですな。

 

 そこで、道で行き交った山伏に

「今何時なんどきか?」

 と、大真面目に尋ねます。

 すると山伏は

「昨日の今頃じゃね?」

 とかちょっとおちょくった返事をしてしまったようです。

 短気だったらしい好辰さんは、

「てめぇこのやろう」

 と、即座に無礼打ちにしてしまいます。

 脳天から下帯まで真っ二つ。(短気にもほどがあるだろ)

 

 その時の山伏の下帯が縞模様だったことから、好辰さんの差し料はその後家中で「縞ふんどし」と命名されて親しまれた(?)というお話。

 このネーミングセンスよ。

 

 出典は「ふるさとの伝え語り-二本松市史資料叢書-」より「名刀しまふんどし」。

 

 短気もほどほどに!

 あと宿直あるんならもうちょっと余裕持って行動しようかw っていう有難い教えが込められた逸話ですね!

 

 

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