第15話桜星高校②
他の学年は授業を受けている中で僕たちはぞろぞろと列を作り学校を歩き回る。
この学校は5階建てで1階には事務室や校長室、保健室、図書室など。2階から4階は各学年の教室になっている。2階は3年生で上になるほど学年は下がっていく。そして5階に音楽室や家庭科室、実験室、パソコンルームなど副教科の教室になっている。
外に出て校庭に出ると陸上競技場やサッカー場、野球グラウンドが隣接され、少し歩くとアリーナに着く。中には食堂やトレーニングルームがありとても広い。バスケットコートが4面もある。そしてアリーナから少し離れたところに旧体育館がありテニスコート、部室棟がある。食堂の目の前にはちょっとした広場がある。そこでご飯を食べたり談笑したりする。
こんな感じに多くの設備をこの目で確かめるとこの学校はとんでもなく大きく、お金がかけられているのだと実感する。
私立にもかかわらず学費も高くない。生徒の成長を重んじるだけあって学費の心配をせず学べることがこの学校の凄さである。
時間まで自由に校内をまわって言いといわれ僕たちは好きなところにいく。運動場に行く者、食堂に行く者、図書室に行く者。気になったところをみんながまわる中で僕はあまり人が集まらないであろう場所を探しに行く。
1人になりたいときになれるばしょって秘密の場所みたいな感じがしていいだろ。
20分くらい歩いて探したがあまりいいところは見つからず時間になった。
教室に戻り休み時間となる。
「すごいね。この学校」
「本当にすごい。来てよかったわー」
他の生徒がこの学校の魅力に改めて気づく。僕自身も感心している。
3,4限目は授業の教科担任の紹介が行われた。授業の進め方、先生の趣味など談笑を交えながら楽しく受けることができた。
昼休みになる。蓮と机をくっつけながら菜緒さんが作ってくれたお弁当を食べる。
昼休みになってもたくさんの人が那月たちの元へ集まる。
楽しそうに話している姿を見てさっき感じたのは勘違いだっただろう。
昼休みが終わり、5限目の委員会決めとなった。
「5限目は委員会決めでーす!みんな積極的に手を挙げてね!」
志乃先生が黒板に委員会の名前と人数を書き上げる
・学級委員 ・図書委員 ・風紀委員 ・保健委員 ・公共委員
5つの委員会に男女1人ずつ選ばれ、計10人が委員会に専属される。
活動内容を聞き各々が考える。中には朝から校門であいさつする仕事もあるのであまり人気がない委員会もある。
「夜空くん。昨日仮で学級委員務めてもらったんだけどせっかくならこのままやってみない?」
思った通り先生からやってみないかと提案される。仕事の内容を聞いてあまり大変そうではないので僕は引き受けようとする。
「思った通りだな」
「うん。でもやってみるのはありかな」
「まあ、俺は楽しませてもらうからいいけど(笑)」
「あんまり迷惑かけないでよ(笑)。先生、僕が学級委員やります」
「ほんと!他にやりたいって人はいる?」
先生が聞くと、男子は誰も手を上げないので俺に決まった。
「じゃあ、夜空くんに決まりました!」
僕に決まり拍手をもらう。
ここから進行役を任され僕は前に出る。残りの委員会を決めなければならない。
「ええと、委員会をやりたい、やってみたい人いますか?」
「はい!学級委員やります!」
そう言って元気よく手を挙げたのは那月だった。
「いいの?」
「うん!何かしらやってみたかったし!」
「では学級委員は僕となt…水瀬さんでいいですか?」
みんなに聞き、拍手をもらい残りの委員会を決める。
決まりにくいかと思っていたがみんあ意欲をもっておりスムーズに委員会を決めることができた。男子がやりたいと思う人あまりいなかったがその場のノリやじゃんけんで決めた。まあ、あるあるだろう。
委員会が決め終わり次は係を決めた。教科担当や掲示物など学級委員を除く全員が係になった。
「みんなのおかげでスムーズに決まった!ありがとう」
那月がみんなに感謝すると先生からもみんなに感謝を述べた。
「みんな意欲的に取り組んでくれたおかげだね!委員会に決まった人は責任をもって取り組んでください!」
5限目が終わりホームルームが終わり放課後になった。
今日はまっすぐ帰ろうと蓮を誘った。
「蓮、帰ろう」
「おう。今日は早く寝たい」
「そうしな(笑)」
早く帰ろうと支度を急ぐと那月たちがこっちに来た。
「優、一緒にかえr…」
「水瀬さん!一緒に帰らない⁉」
「胡桃沢さんと神崎さんも!」
男子たちに誘われ戸惑う。
中学の時はきっぱり言っていたんだがまだ2日目。あまり強く言えないのだろう。
休み時間や昼休みもみんなと話していた。ずっといると疲れてしまうだろう。
僕は蓮を見てうなずく。
「悪いけど那月は俺と一緒に帰るんだ」
那月の手を取りながら僕は男子たちに言う。
「じ、じゃあ、胡桃沢さんたちはどうk…」
「悪いけど彼女たちもなんだ。」
蓮が支度をしながら言う。
「そ、そっか。分かった。また明日」
誘ってきた男子たちが去り僕と蓮の支度が終わる。
「ほら、帰ろう」
「3分間だけ待ってやる」
「なんでムスカ大佐みたいなこと言うの(笑)。蓮大佐(笑)」」
「いや、こういう時に使うだろ(笑)」
笑いながら那月たちも準備を始める。
支度が終わり僕たちは5人で帰る。
学校を出るまでの間、僕は那月の手を握ったままだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます