第14話桜星高校①
朝7時寝ていると那月が起こしに来てくれた。どうやら2日連続で自主的に起きることはできなかったようだ。けれどこれがいつもの僕なのであまり気にしない。
朝ご飯を食べ学校へと向かう。今日は学校の施設紹介や委員会決めなどがある。どれも大事なことなので気を抜かずに受けるつもりだ。
「那月は委員会やるの?」
「面白そうなのがあったらやろうかなって考えてる。あと複数人選ばれるならやる。1人だと忘れそうだし」
「中学の時もよく忘れてて委員会入ってない僕が那月を手伝ってたの忘れたの?」
「優だったら手伝ってくれるでしょ?いつもありがと!」
笑顔で言いながら学校に着くと前にいる結衣さんと彩華さんを見つけて駆け足で近づいていく。そのあとを追うように僕も近づく。
「結衣ちゃん!彩葉ちゃん!おはよ!」
「おはようございます」
「おっはよー!」
「おはよう」
3人と昨日のことを思い出しながら教室へと向かう。
教室に入ると大勢の男子が3人のところへと集まる。
「水瀬さんおはよ!あのさ、LINE交換しない?」
「胡桃沢さん!連絡先交換しない?」
「神崎さんもどうかな!」
クラスのみんなは連絡先を交換したくて集まってきたようだ。
邪魔にならないように避けながら自分の机に座る。始業まで時間があるため普段から持ち歩いている本を読む。
しばらくすると眠そうにする蓮がやってきた。
「おっすー」
「おはよ、蓮」
「すごい人気だなあの3人」
「うん、朝来たらみんな集まってきた」
3人の様子を遠くから見ているとクラスの女子が集まってきた。
「夜空くん、百崎くん、LINE交換しない?」
「私も交換してほしんだけど」
「僕でよければお願いします」
「いいよ、はい」
連絡先を交換すると志乃先生が元気よく教室に入ってきた。
「みんなおはよー!もうそろそろ時間だから席についてねー」
「あと1人…。よしできたかな」
「ありがと!これからよろしくね!」
「うん、こちらこそ」
時間になりホームルームが始まる。今日は学校の施設紹介や授業に必要な教科書の配布がある。今日も授業がないわけだが。委員会に入ろうか迷いながら先生の話を聞く。
「それじゃあホームルームを終わりにします。夜空くん挨拶お願い」
「あ、はい。きりーつ」
自分が学級委員のことを思い出しながら挨拶をし授業が始まるまでのんびりとする。
「水瀬さん、お菓子作り好きって言ってたけど何を作ってたりした?」
「パンとかケーキとかショコラとか簡単なものだけどね」
「胡桃沢さん、普段読書で何を読んでるの⁉」
「書店のおすすめだったり、受賞した作品などを読んでいますわ」
「彩華さん!部活何に入るつもり?」
「楽しそうな部活に入るよー!」
彼女たちの周りには男子も女子も集まっている。
昨日のクラス会が相当楽しかったんだろう。僕が私がと仲良くするために自分からアピールしてる。蓮も遅くまで起きていたのかホームルームが始まってすぐに寝ていた。
「「「…………」」」
3人の様子を横目で見ているとなんだが困っていたような気がした。
気のせいだと思いながら読書に戻る。
1限目が始まった。後ろに並べられた教科書を番号順に取っていく。蓮はまだ寝ていたのでさすがに起こす。
教科書を手に取り机に座った。その厚さをみてところどころからため息が聞こえた。
「うわっ、こんな厚いんだ」
「勉強もしっかりやらないとやばそうだな」
「部活と両立できるかな…」
不安になっているクラスのみんなをみて先生が声をかける。
「はい!みんな教科書の厚さを見てビビっている人もいるけど大丈夫だよ!授業をしっかり聞いて復習すればついていけない内容じゃないよ!」
先生が鼓舞するとみんなも頑張る、やるしかないとやる気にかわっている。
さすが先生。僕たちに対する声掛けが考えられている。
授業が終わり次は学校内をまわるため移動する準備をする。と言っても水を飲むだけなんだけど。蓮はまた寝そうにしていたので起こしつつ話しかける。
「起きなよ蓮。次は校内をまわるんだぞ」
「ん~。ねむい…」
「夜更かししたの?」
「うん。昨日取ったクジラが可愛すぎてYouTubeで犬とか猫なんかの動画見てたんだ。夢中になって気づいたら3時だったんだ」
夜更かしした理由があまりに可愛すぎて僕は笑ってしまう。
眠気を覚ますために顔を洗いに行く蓮についていこうと教室を出ようとすると那月たちが目に入る。休み時間もたくさんの友達に囲まれていた。
顔を洗い教室に戻るとチャイムが鳴り廊下へと並ぶ。
どんな施設があるか話には聞いていたが実際にはどんな感じなのか。直接見ることはなかったので内心楽しみだった。蓮も眠気が冷めてしっかりしている。
意外と朝弱いんだな。
授業中なので静かに移動すると先生が注意喚起を促し移動する。
どんなところなんだろうなぁと楽しみにしながら前の人の後をついていく。
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