第13話おやすみ

 ご飯を食べ終わり那月と一緒に遊ぶことを約束し僕も家に帰る。

 少し休憩をし風呂に入る。体を洗いながら僕は今日あったことを思い出す。

 入学式で不安もあったが蓮といい結衣さんや彩華さん。3人と友達になれた。

 これはいいんじゃないか。


 「ふふふ」


 嬉しくて声が漏れる。

 風呂から上がり着替え、歯磨きをし髪の毛をタオルで拭きながら台所にいき水を飲む。時計を見ると9時手前で那月が来るにはもう少しかかると思い部屋に行く。

 ベッドに寝そべると緊張から解けたのか急な眠気が襲ってきた。ぼーっとしてぬいぐるみを触っていると眠くなりまぶたを閉じる。

 まだドライヤーもしてないし那月が来るのに…。少しだけ…と思いながら仮眠をする。やらないとなぁ…………。




  すぅ………すぅ………


  ガチャッ

  来たよ優!


  すぅ………すぅ……

  寝てるの?


  しょうがないなぁ


  すぅ………すぅ……




 ぶおぉぉーーー



 ドライヤーの音がして眠りから少しずつ覚めると僕の髪の毛を膝枕をしながら乾かしてくれる那月がいた。


 「あ、起きた?」

 「んん…。那月来てたんだ」

 「おはよ!」

 「おはよ…」


 目をこすりながら起き上がろうとすると那月に止められる。


 「ドライヤーしてるから動いちゃだーめ(笑)!」

 「子どもじゃないんだから…」

 「照れな照れない!」


 髪の毛を乾かしながら頭をなでなでしてくる那月。照れながらもドライヤーしてくれている状態が心地よくて言うとおりにする。

 ぼーとしながら待っていると仰向けになってと言われる。仰向けになると那月の顔が近くなりそっぽを向いてしまう。


 「あれ?どうしたの?(笑)」

 「………なんでもないよ」

 「はいはい(笑)!」


 しばらくしてドライヤーが終わった。


 「はい、終わり!」

 「ありがと、今度なんかする」

 「何でもだね?」

 「いや、なんでもとは言ってn…」

 「楽しみにしてる(笑)」


 ゲームの準備を始めた那月を見ながらしょうがないなと思いながらドライヤーを片付ける。


 「きょうは何する?」

 「マリカー!昨日優に負けたまま寝たし!」

 「リベンジなら受けてたとうじゃないか」


 僕はカーペットに座りながら、那月はベッドに寝転がりながらプレイする。ゲームの実力は種類にもよるが僕の方が上手い。那負けることはそうそうない。


 「よっ。ほっ。アイテムゲット!」

 「残念ながら」

 「あ~!アイテム固定される前に甲羅当てるな~!」


 嫌がらせをしながら僕は1位になる。那月はそのあとぼろぼろになり下位だった。次のレースは取り返され3レース目で同点になる。


 「よし追いついた!今日こそ勝つ!」

 「まあまあ今のうちに喜んでな」


 1周目、2周目は那月に1位を譲り3周目でいいアイテムを引き上位に近づく。


 「あぁ!サンダー!」

 「さぁ、どこで使おうかな?」

 「ちょっと待って!私がゴールするまで使わないで!」

 「そんなことが許されるか!」


 願いむなしくサンダーを使い、僕は1位におどりでる。そのままゴールし結果は僕が1位で那月は2位だった。


 「残念だったね(笑)。また僕の勝ちだ」

 「うぅ~~!勝つまでやるからね!」

 「分かったよ」


 10時から始まったゲームは1時近くまですることになった。ギリギリな戦いもあれば圧倒的な差で勝利することもあった。

 結局20戦近くやって僕が全勝した。


 「もう!勝てない!」

 「那月そろそろ寝よ…」

 「あと1回!!」

 「いやでも…」

 「勝つまでやる?」

 「はい…」


 その日は僕が全勝して終わることになった。


 「明日は勝つからね!」

 「分かったよ。また明日やろ」

 「うん!じゃあいつもの!」


 すると那月は僕の腕の中に抱き着いてくる。

 僕たちはいつも寝るときに抱き着く。これをしないと那月は寝れないらしく毎日の日課となった。抱き着いてくる姿は子どもみたいだが可愛らしくて僕自身もこれをすると落ち着くのだ。


 「よし!帰る!」

 「ほーい」


 家の前まで送る。


 「ちゃんと鍵閉めなよ」

 「分かってるよ。いつも閉まるの確認してからかえるでしょ」

 「そうだけど」

 「ありがと!じゃあおやすみ!」

 「うん、おやすみ」


 鍵が閉まるのを確認して家に帰る。

 帰宅後すぐに布団に入る。そして、今日取ってきたぬいぐるみを抱きながらすぐに寝た。今日は本当に楽しかった。明日からがまた楽しみだ。

 そう思いながら夢の中へと入り1日を終えた。

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