第12話夜ご飯

 家に帰り僕たちはそれぞれの家へと帰る。

 帰ってきてから手洗いうがいをし、いつものラフな格好へと着替える。

 僕は宿題や準備を後でやると忘れてしまうので帰ってきてからすぐにやると決めている。明日は学校の設備の紹介や教科書の配布、委員会を決めるなどこれから学校生活をするにあたって学校のことを知るための授業が行われる。

 明日は金曜日なためすぐに休日がやってくる。そのため少しだけ夜更かしをしても許される。学生の大抵は遅くまで起きている。僕もその1人だ。ゲームしたり読書したり、YouTubeを見たり、時には勉強をしたりなど学生らしい生活をしている。

 僕は早速さっき取ったばかりのクジラをベットに飾る。

 この動物たちは抱き枕にすることもできるくらい大きいため新しいのが出るたびに変えている。前回はラッコだったためとても寝心地がよかった。今回のクジラはどんな風か寝る時が楽しみだ。

 準備を終え自由な時間になった。夜ご飯までは時間があるため最近買った本を読み始めた。


 1時間くらい経っただろうか。那月からLINEがきたことに気づく。内容はご飯できたから来て!とのことだった。

 時刻は6時30分。夕ご飯にはちょうどいい時間だ。分かったと返事をし、しおりを挟みすぐに向かう。

 那月の家に着き食卓へと向かう。


 「あ、きた。優準備して~」

 「優くんもうすぐだから待っててね~」

 「はーい」


 ランチマットを敷き、箸やグラスを置いていく。

 那月と菜緒さんの3人で食べるようになってから手伝っているため慣れた手つきで準備をする。

 那月は菜緒さんと一緒にご飯を作っているが、最近は那月が作ってくれている。

 昔から菜緒さんの手伝いをしているため料理が上手になっていた。今日は入学式だったため菜緒さんが腕によりをかけて作っている。


 「もうすぐできるからご飯よそってくれる?」

 「はーい。那月はどんくらい?」

 「いつも通りでよろ~」


 そう言って人数分のご飯をよそりながら料理が完成し並ばれていく。


 「「「いただきます」」」


 席に着きあいさつをし僕たちは食べ始める。

 今日のメニューは僕の鉱物の1つであるコロッケ、ポテトサラダ、じゃがいもの味噌汁。いつも1口目はメインからと決まっている。なぜかって。おいしいから。


 「んまい。」

 「でしょ!やっぱわたし上手なんだ」

 「うん。いつもありがと」


 那月に感謝しつつ食べ進める。すぐにご飯を食べ終わり2杯目をおかわりする。


 「優くんお友達出来た⁉入学式の時に仲良く話してる友達いたから!」

 「できました。百崎 蓮っていう男友達ができました」

 「よかったね!いきなり友達ができるなんてそうそうできるもんじゃないよ!」

 「そんなこと言ったら那月は2人女友達できましたよ」

 「そうそう!結衣ちゃんと彩葉ちゃんって友達と仲良くなった!」

 「そう!よかったね」

 「クラスのみんなでカラオケ行ったらさ優だけ来なかったんだよ」

 「あら、そうなの?」

 「蓮と仲良くなって2人だけで遊びたかったので」

 「そしたら帰りには優と蓮くんに会って!優さいつもの動物シリーズ取るためにゲーセンに来てて……」


 今日の出来事を菜緒さんに話すと菜緒さんも笑い始めた。


 「そんなことあったの。だからなっちゃんが帰ってきたときにクジラさんを抱えていたのね」

 「はい、みんな1匹ずつ持ってますね(笑)」

 「それでこれがそのプリクラ!」


 那月はプリクラをもってきて菜緒さんに見せる。那月はまた笑い始め、菜緒さんも笑い始め大変だった。


 「「「ごちそうさまでした」」」


 ご飯を食べ終わり食器を洗い始める。これは僕がご飯を食べさせてもらってる代わりとしてやっていること。何もせずに帰ったらさすがに僕も気を遣う。

 食器を洗い終わり家に帰ろうとする。


 「菜緒さん終わったんで帰りますね」

 「ありがとう!明日も同じ時間でいい?」

 「はい。お願いします」

 「了解!おやすみなさい」

 「おやすみなさい」


 那月さんにおやすみをいうと那月が


 「風呂入ったらそっち行くから開けといてね!」


 と言ってきた。いつもご飯を食べ終わった後、僕の家で過ごすためその確認をしてきたのだ。ゲームが好きでお互いに遊んでいる。対戦も協力もすべて那月と一緒にやっている。


 「分かった。待ってるね」

 「今日は寝かさないからな!」


 そう言われ僕は少しだけ困りつつ嬉しそうに帰ったのだ。

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