第8話初めての放課後②

 <優・蓮サイド>


 「とりあず街に行って歩きながら探そうか」

 「そうだね、それがいいね」


 現在、僕と蓮は2人で街に向かって歩いている。学校から街までそう遠くなく10分ほどで街にたどり着く。僕たちの住む近くには大型ショッピングセンターもあれば映画館やボーリング場などのスポ〇チャなど多くの商業、がある。そのため放課後になると多くの学生が集まる。夜の駅まはたまにストリートで歌っている人もいる。


 「優はなにか食べたいものとかあんの?」

 「特にこれといったものはないけどどうせならゆっくりとしてられる場所がいいかな」

 「じゃあ、ガス〇とかどうかな」

 「うん、近くにあるしそこでいっか」


 某有名なファミリーレストランであるガ〇トで食べることにした。

 値段も手ごろでおいしい。


 「蓮はガスト行ったことある?」

 「ああ、中学の時は休日によく行ってた。遊びに行ったときに友達と食べたり、夜ご飯として食べて帰ったりしてた」

 「僕も蓮と同じだ。あとたまに無性にポテトが食べたくなるんだよね」

 「分かる。あと唐揚げとか。ああいうのはなぜか無性に食べたくなるんだよな」


 ファミレスの謎の中毒性について話しているうちにガス〇に着いた。

 昼時で混んでいるかと一瞬不安になったが、平日というのもあり人はあまりいなそうに見えた。


 「いらっしゃいませー!何名様でしょうか?」

 「2人でお願いします」

 「2名様ですね!お好きな席を選びください!」


 席が広く静かにしゃべりたいので窓際のボックス席を選ぶことにした。


 「ご注文が決まりましたらそちらのボタンでお呼びください。それでは失礼します」


 店員さんに軽く会釈をしてお互いにメニューを見る。

 メニューには期間限定メニューやおすすめ料理が大きく載っている。


 「蓮は食べる方なの?」

 「そうだね。まあ、育ち盛りの俺たちはたくさん食べるだろ」

 「僕もそう!食べるときはいっぱい食べる!」

 「今日は何にしようかな。久しぶりにハンバーグでも食べようかな」

 「僕は前に来た時に食べたから、パスタにしようかな」

 「おっ!それもいいな。おかずじゃなくてオムライスとか麺系も悪くないな」

 「僕はミートソーススパゲティにする」

 「う~ん、ハンバーグ、オムライス……どっちにしようかな」

 「間とってハンバーガーにしたら?」

 「それだ!よし、決まった。店員さーーん」

 「いや、ボタン押しなよ」

 「あっ、そっか(笑)」


 ボタンを押して店員さんがくる。それぞれの注文を伝え料理がくるまで待つ。


 「優さ、自己紹介のとき演奏するのが好きっていってたけど何ができんの?」


 先ほどの自己紹介で話した楽器についてのこと。蓮も音楽が好きと言っていたので話すにはもってこいの話題だ。


 「ええとね、ギターとベースとピアノ、キーボード、あとサックスができるよ。蓮も何かできるの?」

 「俺もギターとベースとピアノはできる。あと、ヴァイオリンとクラリネットができるぞ」

 「ヴァイオリンできるの⁉すごいね。習ってた?」

 「ああ、親が教育熱心な人でね。俺自身もそこまで嫌じゃなかったからできるようにしたな。」

 「今度一緒に演奏しようよ!絶対面白いよ(笑)!」

 「いいな、それ!やろうぜ!」


 話に夢中になっていると料理が運ばれてきた。


 「お待たせいたしました!チーズINハンバーグとミートソーススパゲティ、山森ポテトになります!お間違いないでしょうか?」

「はい、大丈夫です。ありがとうございます」


 話に夢中になり待ち時間すらあまり感じなかった。なんならもっと話していたかったからもう少し遅くてもいいのに(笑)。


 「一発目はやっぱりポテトだな」

 「分かる。メインを食べる前にポテトを食べることによってさらにおいしさが際立つ」

 「それでは、いただきます」

 「いただきます」


 あいさつをし僕たちは食べ始める。

 熱々なためやけどをしないように冷ましながら、口へ運ぶ。

 久しぶりに食べたがやはりうまい。ファミレスで求めるものは速さと量であると思う。おいしいものを食べたいのならおしゃれなカフェやレストランに行くほうがいい。お腹のを満たしつつおいしいもの食べる。そのためにファミレスはあるのだという持論を持ちながらご飯を食べ進める。


 「うまいね。久しぶりに食べたけど」

 「ああ、お腹が満たされるってのはこんなに素晴らしいのか」

 「壮大過ぎないかな(笑)」

 「いまのは誇張しすぎた(笑)。優のパスタ1口もらってもいいか?」

 「いいよ、僕も蓮のもらっていいかな」


 お互いの料理を1口ずつ交換する。蓮がパスタを食ばてハンバーグをもらおうとすると蓮がにやつきながら僕の方を見てくる。


 「はい、あーん(笑)」

 「えぇっ、普通に食べさせてよ」

 「いいじゃん、減るもんじゃないだろ(笑)」

 「わかったよ。あーん」

 「どう?」

 「うん、おいしいよ。ありがと」


 蓮が僕に料理を食べさせてくれた。

 すると周りにいた女性たちが’’きゃ~~!!’’と声をあげながらこちらを見ていたことに気が付く。


 「なんだ?なんかあった?」

 僕はおもわず周りを見渡す。

 「さあ~、なんだろうね(笑)」


 ニヤニヤしながらこちらをみてくる蓮の考えを僕にはわからなかった。

 いえるのはご飯がおいしいということ。


 ご飯を食べ終わり、僕たちは店を出てこれからどうするのか検討しながら街を歩くことにした。

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