第2話初めての登校

 「今日から高校生になるわけだけど優はなんかしたいこととかあんの?」

 「僕のしたいこと…は」

 僕が望むもの、やりたいことは

 「やっぱり友達作って普段から楽しく過ごしたいかな。勉強でも遊びでもなんでもおもいっきり楽しみたいかな」あ、

 「私もおなじかな。友達と放課後遊びに行ったりして、華の高校生活を楽しみたい!」


 同じ環境で育ってきたことが関係しているのだろうか。那月とは考えること、したいことが大体一緒。その生活が僕が1番楽しいのだけれど。


 「あ、おーい!美佳!柊!」


 那月が叫ぶ方向には僕と那月以外にもう2人、一緒の高校に進学した柊と美佳がいた。


 「那月ちゃん!一緒の高校でよかったよー!」

 「私も!高校でもよろしくね!」

 「おっすー、お2人さん。相変わらず夫婦一緒に登校ですか(笑)」

 「からかわないでよ、柊。まあ、これから3年間よろしくな」

 


 彼は氷雨 柊(ひさめ しゅう)。同じ中学に通っていた僕の1番の友達。

 人をからかったり、恋愛話を聞いたり、集めたりするのが好きで話してて面白いやつだ。普段ははしゃいでいたりすることが多いが真面目で友達思いで僕が信頼している友達。あと何気にモテてるんだよな。もう1人。

 彼女は白鷺 美佳(しらさぎ みか)。彼女も同じ中学に通っていた那月の友達。

 柊と幼馴染で性格も似ているところがある。友達思いでいつも誰かのために寄り添っている。


 「いやーまさか、俺と優はともかく美佳と那月ちゃんまで桜星(おうせい)高校に受かるなんてねぇ」

 「私が本気を出せばこんなもんだよ!」

 「まぁ、あんたに教えてもらったとはいえ、美佳はできる子なんですー」

 「んなこといって、受験期になったら毎日俺と優が教えてたじゃん。合格発表の時も番号があって泣いて喜んでたじゃん(笑)」

 「「わーー!!言わないで!恥ずかしいから!」」


 自分で言うのもなんだが、僕と柊は学力はいい方で勉強で困ったことはあまりない。那月も美佳も出来が悪いわけじゃないけど、桜星に行くには学力が足らず、3年生になってからは毎日勉強を教えて、受かることができた。番号があったときは泣きながら喜んでいた。那月が泣きながら抱き着いてきたからびっくりした。でも、那月が頑張ってることは僕が1番知っているから当然だと思う。


「高校でも4人で遊ぼう!」

「同じクラスだといいね」


 僕と柊は顔を見合わせてうなずく。

 これからどんな出会いば待っているのか。

 僕には素敵な友達がいる。不安になることなんてない。


早く学校につかないかな


 そんなことを思いながら少しだけ足をはやめて学校に向かった。

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