自覚のない恋に気がつきたい!
しょう
第1話隣の幼馴染
いつもなら起きられないのに今日に限って気持ちよく目を覚ます。
寝起きなこともあり、少しだけ寒いと感じながらベッドから降りてカーテンを開ける。外から差し込む朝日はあたたかい。
僕は夜空 優(よぞら ゆう)。今日から高校生だ。
今までと同じように学校に行って、勉強して、遊んで、家に帰って、ご飯食べて、風呂に入って寝るだけなのに少しだけ違うんだなと感じる。
今日から新しい生活が始まる。少しの緊張と不安と。でもそれ以上の希望と期待を抱きながら僕は高校生になったのだと自覚する。
そんなことを考えているとドタドタと階段を登り、近づいてくる足音に気づく。
「おっはよー!ゆう、起きてるー!?」
僕を起こしにきてくれた幼馴染 水瀬 那月(みなせ なつき)が思い切り扉を開けて入ってきた。
「おはよ、なつき」
「あれっ!優が起きてる。珍しい。せっかくの入学式なのに雨が降るかも」
「少しくらい褒めてくれてもいいんじゃないかな」
「明日も起きれたら褒めてあげる(笑)。ご飯できてるから食べよ」
僕はわかったと返事をし、那月は自分の家に戻った。
少し急ぎながら制服に着替え、顔を洗い身だしなみを整え、ある程度の準備を済ませ那月の家へと向かう。
親同士が昔からの親友で、とても仲が良く、せっかくなら隣に住んで子育てを楽しもうという考えにお互いが賛成し、僕と那月は幼馴染という関係で過ごしてきた。
那月の家に入り、食卓へと向かう。昔からお互いの家で過ごしてきているので互いの家の構造は知り尽くしている。
「あ、きた。食べようぜ」
「うん。いただきます」
挨拶をしてご飯を食べ始める。
「あれ?菜緒さんはどうした?」
「入学式の準備してる」
菜緒さんは那月のお母さんでいつもお世話になっている人だ。僕の両親は仕事に熱心で家にいないことが多々あるため、そのたびに菜緒さんが両親の代わりとして迎えに来てくれたり、ご飯を作ってくれたりする。
「あ、ゆう君おはよ」
「おはようございます。菜緒さん」
食べているうちに菜緒さんが準備を終えてリビングにやってきた。
「今日から高校生なのね。あのちっちゃかったゆう君がずいぶん昔のようだわ」
そう言って僕の頭をなでてくる。
「やめてくださいよ。僕も大人になりはじめてるんですから」
「そうねぇ。あんな可愛かったゆう君がいまじゃこんなにかっこよくなって。
中学生の時はモテモテだったもんね」
「そんなことないですよ。那月のほうがモテてましたよ」
「私のほうがモテてたもんね!ゆうよりも!」
そうして中学生の時の思い出話しながらご飯を食べ終わり、学校へ行く支度を始めた。入学式といってもいつも通りに過ごすだけ。髪を余計にいじったり、香水などおしゃれをするわけでもない。いつも通り。楽しい1日を過ごす。
「準備できたか?そろそろ行かないと遅れるぞ」
「OKだよ!いこ!ママ先に行ってるからね!」
「わかったわ。なっちゃんもゆうくんもこれからの高校生活楽しんでね」
「「はい/はーい! 行ってきます!」」
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