2.小学生
低学年までは普通だった
何もなく、友達もいて
放課後は友達と遊んだりと楽しい毎日だった
小学5年のある日、1人の男子から
「おい、にしめ」
と呼ばれた
私はそのあだ名が自分についたものだと分からなかったから
返事もしなかったし、その男子のほうを向くこともなかった。
その日は1回しかあだ名を呼んでなかったので
特に気にすることもなかった
でも次の日くらいから、「にしめ」というあだ名は頻繁に言われた
私に用事あるときも、授業中で私に対しての話題を話す時も
普通にそのあだ名で呼ばれた
普通の名前で呼ばれることはなくなった
皆が「にしめ」と呼ぶ
私は帰って親に相談した
次の日、先生は皆の前で「あだ名禁止」と言った
その時、私以外の女子もあだ名で呼ばれていることが多かったため
私以外の子もあだ名で呼ばれることもなくなるし、
先生が注意してくれれば「あだ名」も呼ばなくなると思ってた
だけど現実は違っていて
前よりもあだ名で呼ばれることは増えた
特に影口が増えた
例えば運動会の練習を真剣にやっていたら
「にしめのせいで最下位になった」
と私の後ろの男子が話していた
その時、呪いの手紙が流行っていて
教室に落ちていた呪いの手紙の書いた犯人捜しの時には
「にしめがやった」
と先生のいないところで私に聞こえるように話していた
親に相談しても、また先生が「あだ名禁止」と話をしても
何も変わらないし、あだ名はなくならない
そう思った私は誰にも相談しなくなった
親にあだ名のことを聞かれても
「言われてない」
そう嘘をつき続けた
あだ名を言われた日は
お風呂で泣いた
寝る前は思い出して
枕に顔をうずくませ聞こえないように泣いた
毎日が辛かった
どうしてあだ名がついたのかも分からないし、
どうして「にしめ」というあだ名になったのかも分からない
理由が知りたかった
でも私は男子に立ち向かう勇気もなく
ただ言われたら、その日は泣く
その繰り返しだった
あだ名のついた理由を知ることもなく
私は中学生になった
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