第6話

「日美斗くん、一緒にねない?」




林汰の目の前には風呂あがりのホカホカ日美斗が。




濡れガラスのような髪からは滴が数滴したたれている。




「……いいよ」




日美斗は試すような瞳をかくしながら林汰に近づく。


べちょべちょの髪をバスタオルで一気にわしゃわしゃと乾かす。




「ほんと!!やったーぁ!」




おおはしゃぎする林汰。




「さっそく僕の寝室へいこうか!」




林汰に手を引っ張られるまま寝室へむかう。




そこには、キングサイズのベッドとテレビが一台。




「どうぞー」




ヘッドに腰掛ける。




「ねぇ、林汰なんで僕を拾ったの?」




「…え、それは…」 




口をもごもごさせる。




「君に一目惚れしたんだ。」




「へぇ~顔?」




「そういわれると、なんだかいいにくいけど、まぁ顔だね…」




林汰が苦笑いする。




「逆に君は僕のどこらが気に入れなかったの?最初、まぁ若干今もだけど、酷く嫌っていたじゃないか」




日美斗は息を一つ吸い、正直にこう答える。




「顔が嫌いだった」




「え、顔?もしかして泰也に似てるから?」




図星をさされ一瞬固まる。




「そうだよ」




「やっぱそうだよね、日美斗は正直だから助かるよ」




「でも、性格は違うって信じてる。」




「僕もお父さんは嫌いだからなるべく違う行動しようって心がけてるつもりだけど、やっぱ似てるよね…」




最初は同じだと思ってたけどいまは何となく違いが分かるようになった。




「日美斗は捻くれてるように見えて真っ直ぐだよね、今日だって謝ってくれたし…そういう所も好きなんだよ」




林汰が優しく微笑み頭をなでる。








日美斗が薄目をしながら林汰に方を預ける。




「っ!やっ、やっぱ別々の部屋でねる?理性が…」




「そう、ならいいけど、」




日美斗が、背を向けドアノブに手をかける。




「や、や、や、や、っぱり一緒に寝よ」




おとなしく日美斗が布団にもぐる。




「今日は、日美斗おとなしいね…あ、もしかして試してる」




「正解」




「もぅ~…僕は何もしないよ、じゃあね、おやすみ」




人と隣合わせで寝るなんていつぶりだろうか、


少し居心地がいいなんて思ってしまった。


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