第3話

林汰に腕をひっぱられながら、家に到着した。




「ここが、僕の家」




でかい。泰也の家と匹敵するでかさだ。


中は綺麗なフローリングにおしゃれな家具。


いまどきの家だ。




「パン一つじゃ、お腹すいたでしょ。これたべて」




「いい、するならはやくしろ」




ああいった行為をする前は食べ物を食べちゃいけない。


どうせなら、さっさっとお金を貰って帰りたい。




服を胸元まであげ、ニヤッと笑う。




「お兄さん、…ここ弄って欲しいな」




林汰はポカンとした後顔を真っ赤にする。




「ち、違うよ、僕はそういうことしたいんじゃない!」




「は?じゃあ金は?」






「……あぁ!あれね、…あれは、その…」




しどろもどろでうざい。言いたいことがあるならはっきりしろよ。イライラしながらソファへ林汰の裾をひっぱる。




「はやく…」




「ちがっ、そ、その…君のことが好きなんだ!」




「…………………………は?」




その顔は、見るに堪えないほど赤い。




「君に一目惚れしたんだ、お金でどうこうするって良いことじゃないけれど、どうしても君が欲しいんだ」




なるほど、恋人ごっこがしたいだけか。




林汰と手を絡める。




「お兄さん、僕も好きだよ」




泰也にむけるような柔らかい笑みを向ける。




「つくらないで。恋人ごっこがしたいわけじゃない、君にそばにいて欲しいんだ」




泣きそうな顔で訴えられる。




なんだか、その面が間抜けで少し笑ってしまう。




「ふっ、」




林汰は更に顔をあかくして、ジタバタする。




「わ、笑うなよ」




「分かった素でいいんだな、……じゃあ、なにしたら金をくれるんだ。」




「そばにいてくれるだけでいい。」




「ほんとにそれだけでいいのか?」




「お金をあげるっていっても、ただあげるだけじゃなくて君を支援したい。君が笑顔で家に帰れるように」




「ふーん?金でなんでも解決できると思ってんだ。頭お花畑だな。」




「君、借金をかかえてんだろ?」




林汰の顔が、真顔になる。




「そうだけど?もしかして全額かえしてくれちゃうの?」




茶化しに言う。結局こいつは、なにがしたいんだ。




「僕と逃げよう、勿論金は全額支払う。ただそれだけじゃあの、おっさんは満足いかないだろうからね、君を酷く気に入っている。年々高くなる利子もそういうことだ。」




「俺はあんたを信用できない。」




売春相手が変わるだけの、可能性が捨てきれない。 




「僕は君が、もてめてこないこぎり何もしないよ。」 




「はっ、どうだか」 




「でも、あのおっさんのようなに酷くはしないんじゃないかな?」




こいつ、あの泰也の趣味までしってんのか、




「お前なんでそこまで知ってる?」




「管野林汰。聞き覚えはない?」



管野、泰也の苗字


「お前しっててきたのか」


「僕も君が気に入っちゃった」

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