第10話
「作戦その 2 って?」
『いますぐその薬を飲んで』
「えっ?これを?僕が飲んだらどうなるの?」
『そりゃー、3 分くらいのたうち回って死ぬわね』
ノタウチマワッテシヌだって?物騒な言葉に頭が回らなかった。これはタチの悪いエンジ
ェルジョークに違いない。
「ちょっ、ちょっと待ってよ。変な冗談言うなよ」
『なによエンジェルジョークって。本気も本気、大マジよ。最初に言ったじゃない、デッド
オアアライブだって』
「そんなこと言ったって…こっちにだって気持ちを整理する時間くれよ」
『はぁ?あんた何言ってるの?今朝の時点で、あんたはすっかり殺す気満々だったじゃな
い』
「いや、それは、勢いっていうか…」
『じゃあ、あんたは勢いで人を殺せるってこと?』
「いや、そういうんじゃなくて…あと 2 日、2 日でいいから」
『ダメよ。あたしだって暇じゃないんだから』
「いやでも、2 日くらい大丈夫だろ?毎日こんなことしてる訳でもないし」
『もちろんしているわよ。だってそれがあたしの仕事なんだし』
「えっ、嘘だろ?」
『嘘じゃないわよ。思い出してもみなさいよ。私がどうやってここに来たのか?』
「へっ?」
『あの娘が抜けてて助かったわね?普通間違える?毒薬と船を』
いや、間違えるだろ。ほぼほぼ一緒なんだから。…ってそんなんことより、そんなことより
…美咲が僕を…
『もう。7 時過ぎちゃったじゃん。ちゃちゃっと薬飲んでくれない?それを見届けて、あの
娘も召さないといけないんだから。イレギュラーが起こったせいで今日中に 2 件とも終わ
らせないとだし、明日の準備もしないといけないから早くしてよね』
「いや、ちょっと待ってよ。恋人から殺人未遂にあった男によくそんなこと言えるな。この
人でなし!」
『あたしは天使よ。人の心なんて端からないし、感情なんて低次元なもの持ち合わせていな
いわよ』
「そんなー…。ちょっと待って今日中だったらまだ僕にチャンスはあるってことだよね」
『そりゃあそうだけど…』
「や、やるよ。武志をやってやる!」
『じゃあ、私はその間にあの娘を召してこようかな』
…うん?ミサキヲメス…「ちょっ、ちょっと待ってよ」
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