第3話
おそるおそる僕は、そのカプセルをつまみ上げた。その途端「あつっ!」僕はそれを落とし
てしまう。なんだこれ?熱いぞ。
床に落ちたそれは、湯気が出そうなくらいだった。なんなんだ・・・
『ジジジ…』「うわっ!」
僕は思わず、尻もちをついた。だってそのカプセルが、急に震えだしたんだ。そりゃ誰だっ
てびっくりするでしょ。
目を丸くしてる僕の目の前でカプセルは割れて、中から…
『いったー』ちっちゃな女の子が出てきたんだ。それこそ、カプセルくらいのね。
…今、「そんなマンガみたいな!」って思ったでしょ。でもホントなんだ。動いてるんだよ。
『ちょっと、アンタ、急に落とさないでよ!危ないでしょ!』
「え、え、え・・・?」びっくりした。どうやらその子がしゃべってるんだけど、その声が
すっごく近くで聞こえるんだ。頭の中に直接響いてくるような、そんな感じ。わかる?
『ふう。まったくパパったら、なんでこんなやつを選んだのかしら』
え?パ、パパ?どういうこと?というか君は誰?
『なによ?なにジロジロ見てんの?いやらしい』
「え、あー、ごめんなさい。」僕は思わず謝る。「あ、でも、え?何?」
『あたしはリンカ。見ての通り、天使』
「えーーーーーーーっ!」天使だって!?こんなにちっちゃいのに?
『ちっちゃいのは関係ないでしょ』
あ、す、すみません。
ん・・・?僕はなんもしゃべってないぞ。なんで会話が成り立つんだ?
『あたしたちは、人間みたいにいちいち声なんて使わないの。念じるだけでやりとりできる
んだから』
そうなんだ。ってあれ?じゃあさっき口を動かしてたのは?
「あれは口パク」
く、口パクってそういうんじゃないような・・・
『もう、そんなことはどうでもいいの!さっさとミッションをクリアしなきゃ、あたし帰れ
ないんだから!』
「え、そ、そうなの?」
『そうなの!だからさっさと船を洗ってきなさい』
え?船?あ、そのカプセルか。そうだよね、君にとっては宇宙船みたいなもんだよね。
僕は急いでカプセル、もといその船を持って、洗面所に向かった。
「…で、ミッションって、なに?」
部屋に戻った僕は、その天使・リンカちゃんに質問した。
しなきゃいけない感じだったし、僕もちょっと気になったんだ。
『オホン、それはね…』
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