第2話 癞蛤蟆想吃天鹅肉

「それ、料理なの?」


 妻の一言は火力0。


 チャーハンだって立派な料理に違いない。米を炊いて、炒めて、はい出来上がり。

 おいしいね。笑顔でダブルピース(^_-)-☆


 と、なる。


 冷や飯ぶっこんで、適当に塩コショウで炒めて、溶き卵で混ぜれば、はいOK。実に簡単な料理。


 そう。簡単な料理なのだ。

 だからこそ、色んな種類が出尽くしているのでは……

 わざわざ、グルメエッセイにする必要ある?

 こんな疑問が重くのしかかる。



 否!



 まずは作ってみるか。


 全てはそこから始まるはずだ。


①冷蔵庫から冷凍ご飯を取り出す

②鍋に油をひいて、飯を炒めて、塩コショウ、オイスターソース

③最後に溶き卵を投入、香りづけに醤油を少々。


 出来上がり。

 ぱくり。


 うーむ。やはりおいしい。

 やっぱり、チャーハンって最強だよな。嫌いな人いないでしょ。

*ちなみに、半チャーセット。炭水化物と炭水化物の暴力。これも最強(^^)v


 そういえば、チャーハンってどれくらい種類あるの?

 ちょっと、思いつく限り羅列してみるか……。


 レタスチャーハン、玉子チャーハン、キムチチャーハン、牛肉チャーハン、海老チャーハン、天津チャーハン、マーボチャーハン、カルビチャーハン、なんとかチャーハン……



 あるわ。



 てゆうか、無限にあるわ。

 考えてみれば、そうだよ。

 だって、適当に米と何かを炒めればアレンジ無限だもんな。

 わざわざ、寝る間を惜しんでグルメエッセイ作る必要なんかないかも(>_<)


 きっと、もっと楽しい異世界メニューが、この企画に続々と投稿されているに違いない。


 例えば――


「ドラゴンの尻尾を煮込んだシチュー、ブルゴーニュ風」とか、

「大王イカのブイヤベース、ブルゴーニュ風」とか、

「世界樹に自生するマツタケをふんだんに盛り込んだ土瓶蒸し、ブルゴーニュ風」とか、

「ドードー鳥が一年に一回だけ産む紫玉子で包んだオムライス、ブルゴーニュ風」とか、


 ……。


 チョマテヨ!


 もしかして――


 ブルゴーニュ風って言えば、なんでもそれっぽくなるんじゃね?(^^)/


 いやあ、便利だな。この地名。


 よく調べてないけど、多分フランスのどこかの地名だよね。

 日本人って、外国の地名に弱いし(^^)v


 そう、つまり……だ。


 まさに心の隙間に忍び寄る魔の手……


 どくん、

 どくん、


 こうなったら、禁じ手でこの私小説を完結させるしかない。

 正直なんにも思いつかない。

 料理なんてほぼしてないし。

 私(作者)には、元々グルメエッセイを作る資格なんてないんだ……っ!


 聞こえる。


 やつの囁きが……


 大音量で頭を駆け巡る。



 私の取り扱う品物はココロ。人間のココロでございます……。



 いける――


 いけるぞ。


 困った時の卑怯な手が、いけるぞお!!


 と。

 いうことで、このグルメエッセイ、これが結論です。


 私(作者)がおススメしたいのは、こちら――



「絶品チャーハン、ブルゴーニュ風」



 D―――ん!!(MグロFZ)



 ……

 

 ……


 とは、当然ならない。


 現実にありはしない異世界料理でなく、あくまで現実社会で勝負だ。現実と向き合い、己を超える時こそ、いつだって熱くなれる。


 私はこのグルメ企画に命(=小宇宙こすも)を燃やしてるんだ。


 見せてやる。


 私のチャーハンを。



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