第15話 夢
僕はある晩、眠りについていた。そこでこんな夢を見た。
「わーん、わーん!」
泣き叫ぶ子供の口を両親が強引にふさぎ、首を絞め、殺害する現場だった。
「おとうさん、おかあさん、なにしてるの、、、?」と幼い僕は尋ねた。
「これは私たちの仕事だ。お前は何も見てない、何も聞いてない。いいな?」
その父の言葉に、「うん、わかった。おしごとなんだね」と返す。見て見ぬ振りは本当はいけないことだと分かっていたのに、僕はその事をスルーしていた。その影響で僕は強いストレスを感じていた。もしかしたら一太はその時の、、、
「あんた、なんで生きてんの、、、?」
ある日彼らの実の娘である、楓(かえで)と呼ばれていた少女に声をかけられた。
「ぼくはふたりのじまんのむすこなんだ!だから、、、」
「あんたが息子!?笑わせないで!!本当の子供は私だけ!私だけなの!それなのにあいつらは、、、!」
彼女は僕を殴った、そして蹴った。すると
「楓!何をしてるの!?」
母がやって来た。そして僕に暴力を振るっていた楓をこれでもかというほど痛めつけた。
「これはしつけ!しつけなの!!あなたのためなのよ!」
違う、決してそんな事はない。これは、こんなのはただの暴力だ。絶対的な権限を持った親による、一方的なものだ。だが、幼い僕はそんな事を2人に言えるはずもなく、、、
「、、、」
もしかしてそれ以来、僕の代わりにその凄惨な光景を見ていたのは、律人、君なのか、、、?
僕は目覚め、歯を磨き、顔を洗い、朝食を済ませ、身支度を整える。すると、、、
「烈火?顔色良くないよ?大丈夫?」
鼎先輩に話しかけられた。
「問題ないです。大丈夫ですよ」と返す。いや、本当は大丈夫なんかじゃなかった。今にも吐きそうだった。自分の両親だと思っていた人間の正体を知ったのだから。僕は夢で見た光景を刑事さんたち警察に話すことも考えた。だが、この事はしばらく自分の中に留めておくことにした。気持ちの整理ができたらで良い。それにこれはあくまで夢だ、真偽が定かではない。だけど、、、
これは本当のことなんだ、、、
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