第14話 2つの人格
僕は律人。最近は出番がほとんどない。退屈だけど、まあ、それだけ烈火が成長したって考えれば悪い事でもないのだろう。
「なあ、律人、睨めっこしようぜ」
「一太、それは子供がやる遊びだよ。僕らは、ほら、ポーカーでも、、、」
僕は烈火の記憶からトランプを引っ張り出した。
「律人、ポーカーも子供がやる遊びじゃねえのか?」
「一太は分かってないなぁ。トランプこそ、大人の遊びってやつなんだよ。ほら、手札、配るよ」
「ああ。そう言えば、烈火の記憶がだいぶ蘇ってきたみたいだな」
「そうだね、そろそろ僕たちも必要じゃなくなってくるかもね」
それは、少し寂しく、でもどこか誇らしくもあった。
「なあ、律人。俺はこいつのストレスの擬人化、お前は二水夫婦の…をこいつの代わりに見ていた人格、ってことでいいんだよな?」
「うん、そうだよ、一太。君ももう大体思い出したみたいだね。なら、烈火も自分で全部思い出せるかな、、、」
「おう、どうした、律人?傷心か?」
「うん、少しね。でも、、、これでいいんだ、これで、、、」
僕らは睨めっこをしながらポーカーを楽しむのだった。
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