第5話 プロデューサー翔

新たな高校生活にも慣れ始めたある日、僕たちに転機が訪れる。それは僕が鼎先輩と一緒に学校から帰る途中のこと。1人の男性から声をかけられたのだ。

「ねえ、君!芸能活動なんかに興味ない?僕はプロデューサーの翔(かける)!最近はテレビにも出てるんだけど知ってる?」

胡散臭いな。

「先輩、この人怪しいです。通報しますか?」

そんな言葉をよそに、鼎先輩と自称プロデューサーは話を進める。

「え?もしかしてあの『スターライト』も手がけた翔さんですか!?びっくりです〜!」

どうやら有名人らしい。僕はテレビをあまり見ないので知らなかった。

「あの、先輩、こういうのは一応お父さんに聞いた方が、、、」

「そうだね烈火、念のため、ね?」

すると翔さんはこちらをじっと見つめ、

「おや、君は、、、」と言い、更にこう続けた。

「君は逸材だな!100年に1人の存在かも知れない!ぜひ君もうちの事務所に来ないか?君なら大歓迎だぞぅ!」

驚いた。僕にそんな価値があるなんて自分でも気づかなかった。鼎先輩は

「烈火、これは偶然じゃない、運命だよ!せっかくだしスカウトされちゃおうよ!」

と興奮気味に言う。結局僕らは刑事さんに了承を得てからという条件付きで翔さんのスカウトを受けることにした。後々、これが大きな転機となるのだった。

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