第10話 ボーリング
しかも、
一体彼らに何があったのか.........。
馬鹿な男女(
しかし、
三人ともどこか浮かない顔をしている。
「
「え、あ、うん。.........別に、返してもらえれば.........。」
「あ、あの.........。」
何が何だかわからない
ふと、
「こ、これ、.........
言葉に詰まりながら
「.........え?」
まさか自分が趣味で書いていた小説が他人を感動させられるなんて夢にも思わなかったのだ。
「あのさ、俺の
「わ、わたしの小説を?」
「うん!頼むよ!俺こんなすげーの見たこと無い!」
「でもそれ、まだ未完成だよ。」
「え!?」
「まだいろいろ書き足したい場面があるの。」
「じゃあさあ、それについてゆっくり話さない?俺達これからボーリング行くんだ。一緒に行こうぜ。」
「え?わたしも、いいの?」
すると、
「いいに決まってんじゃん!っていうか、うちも
「俺もだよ。小説なんか読んだこと無かったけどさあ、すげぇ泣いた。」
「じゃ、じゃあご一緒させてもらおっかな.........。」
「よっしゃ!決まり!」
こうして、四人はボーリング場へと向かったのだ。
開業七十年ではあるが、老朽化していた建物を壊し、今年に入って新しい建物が出来たため、ボーリング場としては新しい。
このボーリング場、地上六階
「新しくなってから来たのは初めてだけど、なんかすごい所になっちゃったな。」
「まあいいさ、始めよう!もし
四人は、シューズを借りてレーンへと向かって行った。
「ボーリング、わたし、久しぶり。」
投げる順番は
「これより、
「早くしろ
「金玉って言うな!」
そして
「ちょりゃああ!!」
ボールは勢い良く斜め左に転がり、ガタン!と、ガターに落ちた。
「はっはっはっは!!何だそりゃあ!?使えねー金玉だなぁ!」
「う、う、うるせー!まだもう
そう言って、こんどはボールに空いている三つ穴に指を入れず、両手でボールを持った。
このとき、右手はボールの下側、左手はボールの上側だ。
その状態でボールを後方に振り上げ、今度は左回転をさせる様に投げる。
「ちょりゃあああ!!!」
転がるボールは見事に左回転をしながら、ガタン!と、ガターに落ちた。
「なんかさあ、マイボール持ってる奴のレベルじゃねーよお前!」
「うるせー!今のは練習だ練習!」
「次はうちだ!どけや下手くそ。」
「どりゃああ!!」
と、真ん中を狙って投げた。
投げ方は普通だ。
ガコン!!と、ボールはピンを七本倒した。
だが、
「んなあ!!スプリットだ糞が!」
そう。
残り三本のうち二本が左側、一本が右側に分かれてしまったのだ。
そこで
「どりゃあああ!!!」
掛け声と共にボールは綺麗に転がっていく。
しかし、綺麗に真ん中へと転がったため両側のピンには当たらず、何もないど真ん中を突き抜けて行った。
「.........。」
投げた格好のまま
二人とも笑っているのだ。
しかしあまりにも美しく
けれども
二人はそんな精神状態だった。
「つぎどうぞ。」
何事も無かったかの様に席に戻ってくる
その表情は、死んだ魚の目をしていた。
「よ、よし、次は俺だな。」
そしてボールを選んで来たのだ。
「お前らとは頭の出来が違うって事を思い知らせてやるぜ。」
「お前、正気か?それは正気なのか?」
「これなら絶対外さねー!!」
それもそのはず。
子供が使うアレである。
ぞうさんのデザインのやつだ。
そして、
「でゃりゃああああ!!!」
と、右手でボールに
が、ボールはいきなり滑り台のコースから外れて左側に落ち、そのままガタン!とガターに落ちた。
「.............................................。」
固まる
笑顔のぞうさん。
「.........お前あれだ。.........死んだ方がいいわ。」
「まだだ!!まだ二投目がある!!」
またしてもぞうさんにボールをセットした。そして、
「わっちょおおおおお!!!」
と、今度は両手でボールに
だが、変な回転がかかってしまい、ガタン!と、左側のガターに落ちた。
「お前はもう死んでいる.........。」
そしてぞうさんは笑顔だ。
そして、いよいよ
しかし、ボールに空いている穴に指は入っていない。
右側のガターに落ちるギリギリのところでボールに不思議な回転がかかり、右から左にボールがカーブをして見事にピン十本を倒した。
ストライクである。
「「「!!!!」」」
しかし、
「今のは失敗.........。」
納得いってない感じだった。
続く!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます