第7話 先生は恐い
「もうマジすごかったんだよ!
「あんたの後ろの席の男子がそんなにすげー奴だったとは.........メルヘンね。」
「ん?め、めるへん?」
二人は現在登校中である。
「でも
「え?
「ん?あたしはまだ
「あの、隣の金髪男子は?」
「あれは友達とは言えねーわ。膝蹴り食らっただけだし。」
「あ、あいつに膝蹴り食らったんだ。てっきり仲良くなったのかと思ってた。」
「全然なってねーよ。しゃべんないし。」
「しゃべれば良いのに。」
「だってあいつ
「白人に対してそんな事言う奴初めて見たわ。」
「え?あいつ白人なの?」
「ハーフだってさ。」
「ちょっと待てや。なんでお前がそんな事知ってるのよ?」
「いや、多分知らなかったのお前だけだ。」
「マジか.........。あたしはただ単に顔色が悪い不健康な奴かと思ってたわ.........。そういう肌の色なのね。」
「言っとくけど、そういう意味ではお前も顔色悪いよ。」
「嘘ぉ!?」
「いや、でも色白ですごい綺麗だよ。女の子からしたら
「.........んなら、安心だけど。」
「って言うか、あの白人が顔色悪いと思うんならさぁ、あんたの弟も顔色悪いんじゃないの?」
「は?何言ってんの?殺すよ?」
「ごめんちゃい。」
「
「はいはい分かったよ!電車来るよ。」
「いいや、あんたは分かってない!
「うるせーっつうの!」
そんな会話をしながら今日も二人は学校へ行く。
そして二人が教室に入ると.........。
「お願い、返して!」
「良いじゃん、読ませてよ!」
「ダメ!見せるために書いてる訳じゃ....」
「俺達がこの小説の評価してやるっつってんだろ!」
何かちょっとした騒ぎが起きていた。
黒髪で大分前髪が長く、見た目
「ハハハ!とっしー意地悪すぎー!」
茶髪のギャル、
「何言ってんだよ、親切で読んでやるんだっつうの!」
同じく茶髪のチャラ系男子、
「
同じクラスで
どうやら出席番号三六番の女子生徒、
「何かしら?あいつらやっちまうか。」
そう言いながら
「おら
「はい出席とんぞ!いねー奴いるかー?......
速攻でホームルームが終わり、生徒は教室を移動する。
「ほら
「お、おう.........。」
数学の先生は
男子の視線を一発で釘付けにさせる程のプロポーションの持ち主であり、顔も整っていて美しい。
教師らしい格好をしておらず、ファスナー付きの長袖シャツにクリーム色の、ミニスカート。
「いいかテメェら、数学ってのはなあ、
しかし口調は乱暴だ。
元々男女混合の暴走族の総長だった過去があり、
「はい、そんじゃ
「はい!」
一人のおそらくガリ勉男子が手を挙げた。
「いや勝手に分かんじゃねーよ!正解されたらあたしの立場ねーだろーが!ここはお前、かわいく『わかりましぇーん』って言えよ。」
ハッハッハッハッハ!!
と、生徒はみんな思わず笑ってしまった。
「お、良いね。お前らあたしのノリについて来れるじゃねーか。よし、じゃあご褒美にこのあたしが華麗に解いてしんぜよう。」
「えー、まずこの6X+8に注目してー、って何で数学の授業なのにアルファベットの勉強しなきゃならんのじゃあ!!!ざけんなコラァ!!」
.........と言った感じで授業は進んだ。
「なんかめっちゃ分かりやすかったね。」
「うん、斬新な授業だったわ。」
次の授業は現代語(国語)。
自分達の教室に戻っての授業だ。
授業が始まってすぐに、
「(あれ?さっきの
どうやら授業をサボっている様だ。
このクラスは三六人であるため一番最後の番号である。
故に
やはり
前髪が長いため表情は分からないが、今にも泣き出しそうだ。
当然だ。あの三人組は
今時の、ヤンキーではないにしてもちょっとヤンチャな性格の三人。
最近の言葉でいう陽キャという奴らだ。
学校内でからかわれるだけでも絶望的なのに、きっとそれだけにとどまらない。
SNSを使っていろんな人に
そういう事を平気でやる奴らだ。
そんなことをやられている内に学校から自分の居場所がなくなるのだ。
その事に
だから
「
男の先生だった。
身長は一八五センチの長身で、金髪スポーツ刈り。
アメリカ出身のアメリカ人が高校の現代語(国語)の教師をやっている。
「お褒めの言葉、恐れ入りますわ先生。」
「褒めてねーよ馬鹿。ったくふてぶてしい野郎だ。じゃあお前、これ、何て読むか分かるか?」
黒板には『隔てる』と書いてあった。
中学生で習う誰でも読める字だ。
それを見て
「先生、こんな中学生でもわかる字の読み方など、無意味に等しいと思うのですが.......?それに、こんな事よりも優先的に解決しなきゃいけない問題があると思いますけど?」
「ああ?何だ?そりゃ。」
「例えば、地球温暖化とか。」
「
クラスの大多数が爆笑した。
「クッ.........な、ならば、先生は地球が破滅しても宜しいのですか?」
「お前さぁ、もしかして読めねーんじゃねーの?」
「んぬっ!!.........は、話を
「さっさと答えろ殺すぞこの
二人の不毛なやりとりにクラスのみんなはさらに爆笑していた。
「クッ!!.........わ、わかりました。い、良いでしょう。じゃぁ、もしもあたしが正解したら、五万円払ってもらいますよ!?」
「じゃもし間違ってたらブッ飛ばすからな?」
「んぬっ!!.........よ、よし、答えますですわよ!こ、答えは.........。」
ゴキッ、ベキッ、拳の骨を鳴らす先生。
やばいやばいやばいやばいと、変な汗をだらだらかく
「こ、答えは.........」
「男らしく覚悟決めろオラァ!」
「か、『カクテル』!」
「「「だっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは!!」」」
一同大爆笑だった!!
「ご、ごめんなさい。分かりません。」
先生は美蘭の席の目の前に立って言う。
「よし、よく正直に言った。それだけは褒めてやる。」
「あ、ありがとうござ.........
バキン!!
「フギャ!!」
ズボ!!
先生のアッパーカットか見事に
美蘭は座っていた位置から垂直にフッ飛び、天井に頭から深く刺さった。
「はっはっはっはっは!馬鹿が天井に刺さったぞ!」
一方、
「うわぁ!!なんか、急に地面から女子が生えてきたぞ!!」
と、一人の女子生徒が言うと、
「何ぃ!?植物でもないくせに地面から勝手に生えてきおって、許さんぞ!私は許さん!科学的じゃなーい!」
科学の先生が言った。
科学の先生は当該の机をどかして、
「科学の力で成敗してくれるわ!」
そう言って、
「『科学パーンチ』!!」
ゴツン!!
科学の力かどうかは分からないが、美蘭はその
だが、頭にはたんこぶができて、ベロを出しながら目玉をぐるぐる回していた。
その変な顔にまたクラスメートが笑う。
「なんだこいつ、見掛けによらず
そんな感じで、
「(あたしもあんな風に、みんなを楽しませられる人間だったらな.........。)」
続く!
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