第3話 学校
しらす台第一高等学校。
この高等学校には桜の木がたくさんある。
春の晴天であるこの日は余計に桜が美しく見える。しかもシダレザクラ。
教室からこの景色が見えるというだけで入学して良かったと思う生徒は少ないんだけどね。
でも美しい。しかし、そんな美しい景色を、
今は意識が回復してベッドに座っている。
「あー、あー、鼻が痛い.........。」
骨折しているせいで、とっても大きく
鼻で風船ガムでも膨らませてんのか?って思うぐらい大きい。
そのまん丸に膨らんだ鼻は包帯でぐるぐる巻きにされている。
鼻がある場所にでかい包帯の球体がある感じだ。
「あたしの鼻、ソフトボールみたいになってるなあ。」
ガラガラッ。
保健室の出入口が開く音がした。
「
女性の声だ。声の主は保健室の先生、
いつもニコニコしている感じの良い先生だ。
白衣が良く似合っており、男子生徒から絶大な支持を得ているアイドル的な先生。
「んがー、問題ありまへんよー。」
「ちょっと、無理しちゃダメよおー?病院行った方がいいわー。」
「いやー、こんなもん
「つ、強すぎ!」
「あたしは最強ですんで!」
そう言って、
「んーと、あたしの教室は一年三組、二階ですな。」
普通に教室に向かった。時刻は八時二五分。ホームルーム開始まであと五分あるので、
教室のドア(横開き)を開けると、クラスの三六人全員が
「(あたしの溢れんばかりの魅力がみんなを夢中にさせてしまった様ね。あたしって罪な女。)」
なんて事を
まあ魅力的であることには違いないかも知れないが。
「なあ
「な、な、なんだろうなぁ.........?」
この
彼は取り敢えず知らないふりをした。
「(嘘だろ、マジかよ!?)」
しかし、でかっ
ガラガラガラッ!
勢い良く教室のドアが開き、
一年三組の担任、
身長百七八センチ、体重六五キロ、四七歳。
見た目は
学校内一怖いと言われる男が、
「オラ、出席とんぞー、居ないやつ手ェ挙げろ!」
と、
居ない奴は手を挙げられないがこの男は気にしない。だが今日は全員が出席している。
「はい今日から授業始まっから、真面目に受けろよー!何か問題起こしやがったら殺すぞ。はい終わり。」
他のクラスの担任はまだちゃんとホームルームをやっているが、この男はさっさと教室から出ていった。
クラスにデカっ
「ねぇ
「ありゃー恐いわ。」
一時間目と二時間目の授業は校内案内。
性格は適当な
このしらす台第一高等学校はもともとは私立の女子校だったらしいが、十年前から共学なり、現在は男子生徒の方が少々多いくらいである。
そして共学になってからは部活動が盛んになった。
と言うわけで放課後は部活動見学の時間である。
「
と、
「めんどくさいし鼻が痛い。」
と、
「ええー、良いじゃん!せっかくだし行こうよ!」
「わかったよ、行こう。」
「ていうかさあ、部活の種類多くね?」
「多いね!
「卓球はもういいや。あたしは部活やらない。」
「え!?そうなの?」
「バイトしたいんだよね。」
「ああ、そういうのもありか。」
「で、
「このー、E《イー》スポーツ部っての見てみたい。」
「Eスポーツって何?」
「最近世界中で
「なんかつまんなそうね。あたしは小学生の頃、弟と格闘ゲームすると決まって本物の格闘になっちゃうのよ。二人とも格闘技が好きだからさ。」
「危ねー
「何?あんたまさかあたしのかわいい弟を狙ってるの?」
「ええ!?いや、違うよ!」
「そう、ならいいけどさ。」
「(相変わらず弟大好きだなコイツ。)」
「あ、ねぇ、
「んにゃ?」
「この『爆走竹馬部』見てみない?」
「何かヤバそう.........。」
「略して『
「超ヤバそうなんだけど。でも、行ってみようか。」
こうして、二人のヤバそうな部活見学が幕を開けたのだった。
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