第8話 2人の視点
俺1人でドキドキしまくって、覚悟まで決めて挑んでいたというのに!
損した気持ちと恥ずかしい気持ちで押し潰されそうだ!
ミレーユさんには、五芒星の術?で、読心術防止って事になっていたけど、本当に、こっちの気持ちは全く読まれてなかったのだろうか?
やり方が、ちょっとばかりズレていて、上手く作用されてなかったって事ないか?
ヤバイな......
気持ち読まれていたとすると、俺って、かなり変人に思われていそう......
嗚呼、俺のバカバカバカ!
なんで、あんな有り得ない妄想に至っていたんだ!
いや、ミレーユさんが、教えてくれた通りにしたのだから、上手く読心術防止が為されていたに違いないから大丈夫だ!
第一、あの可憐で美し過ぎるミレーユさんを疑うなんて失礼だ!
彼女と接触した貴重な地球人の1人として、恥じないように行動せねば!
「どうだった?」
道下が眼鏡の向こう側で、俺の様子を見ながら、ニタついているような表情をしてやがる!
「どうって......?」
そのままの気持ちを道下にすぐに晒すのはシャクに障るから、わざと、はぐらかすように質問を返した。
「ミレーユさん、可愛いだろう?」
「可愛いよか、キレイの方だって!」
ミレーユさんに、可愛いという表現はしっくりこない。
「名画の世界で例えると、ズバリ誰?」
今時、二次元オタクは多いが......
俺と道下は、その中で、自分達では高尚な趣味と思い込んでいる
『名画オタク』
当然ながら、出会った人達の風貌を名画の中の人物達になぞらえる事が多い。
女神や妖精のように思えていたが、その実、宇宙人のミレーユさんを、敢えて名画の美少女に例えるとしたら......
あの金髪碧眼の色素の薄さといい、儚げな表情といい、俺が選ぶ絵画の世界の美少女中の美少女である彼女以外に有り得ないだろう!!
「ズバリ、フェルメールの真珠の耳飾りの少女!!」
あの名画の世界最高峰の美少女を彷彿させるような宇宙人美少女に巡り合えたとは、つくづく感慨深い!
しかも、あの両手に包まれた至高のヒトトキ!
......と名画の世界と先刻の出来事の狭間を気持ちがうろついている時
「浅間には、ミレーユさんは、そう見えていたんだ......」
意外そうな口ぶりの道下の方が、俺には何よりも意外だった。
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