第7話 秘密の行為Ⅱ

 今まで、数多くのエロ本やアダルトビデオ見ながら、色んな妄想を繰り広げてきたが、何か満たされなかった日々だった......


 それがだ!


 ただ、手を合わせるだけの行為で、こんなにも充実感が身体いっぱいに広がるものとは!


 地球上で一番の美女が、ミレーユさんと同じ行為をしても、俺は、きっと、こうはならないだろう!

 

 気功とか霊気とかいう、お金払ったら、やってもらえそうな、ハンドパワー系はどうなのだろう?


 俺は、そういう系は施術してもらった経験が無いから、ミレーユさんのそれと比べられない。


 嗚呼、生まれてきて良かった~!


 これほど俺は満たしてもらったのだから、この後は、ミレーユさんの番という事で、好きなだけ俺の血を抜かれても、喜んで差し出せる!


 こんなに満たされるなら、これが、毎日、永遠に続くとしても、それこそが、俺の望むところだ!


 どれくらいの時間が経過しただろう?


 幸せ過ぎて、自分には短く感じられたが、多分20分くらいは経過していたはず。


 もう充分に俺は満たされた!!

 この後は、潔く、血を差し出そう!!


「浅間さん、終了ですよ」


 その言葉と同時に、ミレーユさんの柔らかい手は、俺の手を残して去ってしまった!!

 

 大変名残惜しいが、吸血前の儀式は終了した......


 さてと、本番ですか......


「初めてで、不慣れな感覚だったかも知れないですけど、

 浅間さんさえよかったら、また明日以降もいらして下さいね」


 笑顔と共に、予想外のことばかり口にしていたミレーユさん。


 えっ、どーゆーこと?


 吸血行為は......?


「それじゃあ、浅間、行こうか」


 その間ずっと、外野のように佇んでいた道下が、淡々とした表情で俺を促した。


「じゃあ、また」


 まだ腑に落ちない状態の俺が、やっとミレーユさんに向けて言葉を何とか発する事が出来た。


「また明日、待ってますね」


 俺が明日も来る事を喜んでいる様子のミレーユさんは、まだ東屋に残ったままだった。

 木の葉の隙間から、西日が射し込み、ミレーユさんの可憐な横顔を照らしていた。

 俺としては、例え血を吸われても、まだ彼女の横にいたかったのだが......

 

 本当にこれだけ?


 これで、おしまいなのか......?

 吸血行為などは俺の妄想に過ぎなかったのか?

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