第11話学校へ

北海道のお土産物も豪勢たった。

ウニ……イクラ……カニ……


『さぁ母さんに料理して

もらおうかな?』

『まぁまぁ。凄いわ!美味しそうね?』


母親は、腕によりをかけて

鍋を作り始めた。


父親と話しをしていると、

一つだけ、提案があったのだった。詳しく聞くと、


学費は出すけど、アルバイトする

事が条件だった。


何故かと言うと、父親は言った。

『お金を稼ぐ大変さを、

学んで欲しいんだ。辛いぞ?』

と……父親は、あえてのレール

を引いてくれた。



僕は……薬剤師になる為の

学校に通い出してから、


たまに気分が落ちる事も

あるのだが……。

吉川先生にも、話しが入った様子で連絡が、

学校経由で僕の元に入った。



『先生!!先生!!僕は……』

話しを吉川先生に話そうにも……


長い年月……話したい事があり過ぎて、僕は感情が溢れ

泣いてしまった。



先生は落ち着いていた。


『横田ゆうとくんだね?

元気そうで良かった。』

先生は、相変わらずで笑っていた。先生は嬉しそうに


『わたしの治療も、まんざらでも

なかったんだな!

そうか……そうか。』

と、力強く答えて下さった。



『頑張りなさい。投げ出しては

いけないよ!

人の命に関わる事なんだ。

短気は損気だ。わはは!!』


電話を切り、受付の女性に

御礼を伝えると……


吉川先生は大学の教授に

なっている事を初めて知った。

(先生は、やっぱり凄いや。)


受付のお姉さんに、お辞儀をして

僕は力強く教室に向かった。





『僕のやり直した人生だ!!

やらねばならない事は山積みだ。』


僕はようやく、人並みに慣れたんだ!と、嬉しさが

込み上げてきた。



教室へ入ると……

吉川先生が教壇で挨拶を始めた。


僕と、少しの間……目が合った。

吉川先生の授業が始まる。



僕はテキストを開き、メモを取り

会話を逃さない様に

スマホで録音した。



家に帰り、録音した声を頼りに

ノートに細かくメモを取った。



~短気は損気~


(僕は負けない!!)

アルバイトも、こなし勉強に

前向きに取り組んでいると……



知らない間に友人も、出来始めた。


吉川先生の話しや、自分の病気

の体験談を話していると、

《分かるわー!》


と、相づちを打ってくれる

親友も出来た。


親友や友人達を自宅に呼んで

クリスマスパーティーを

開く事も、あった。




吉川先生は……。

『学生時代にこそ、本物あれ。』


と、よく話してくれていた。

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