本 〜RFMにて〜

第27話 入学式(?)

 「ええー、みなさん。私は施設長の宮前と申します。みなさんが入ったところは、精神異常者更生支援施設、通称RFMです。国の実験的な試みとしてさまざまな軽犯罪を犯した10人がここにいます。みなさんがここをどのような場所と捉えているのかは知らないですが、刑務所のようにひどい場所ではないということは強く言っておきます。...


 ぞわっ 今のとこで急に雰囲気変わるじゃん、なにあなた。刑務所上がりなの?


...あくまで、目指しているのは更生です。最後に職員さんの紹介をしておきます。施設長の宮前、総務の水村さん、.........監視の檜原さん、以上ですね。ではあとは総務と監視の方におまかせするとしましょう。ではお気をつけて。」



 なにが「お気をつけて」なのかはよくわからなかったが、彼はとても丁寧な人チウ印象を受けた。たぶんなんにでも「さん」をつける人なのだろう。しらんけど。「本屋さん、店員さん、漫画家さん。食べ物にまでジャガイモさんとかつけてさ。」(知らない人失礼)


 それとも、国の一大事業(なわけない)のトップとなって自分の経歴に傷をつけたくないという気持ちが強いのか...っていうか今はそれどころじゃなくない!? え、檜原? 聞き間違いじゃないだろうし。


 いやいや、そっくりさんと会う確率とそんなに有名じゃない「檜原」っていう名字が合う確率ってどんなのよ。僕は女性の名前と顔と、体型は、忘れません!


 ということで彼女はあの檜原さん、です!

いや、そんな呼び方は堅苦しいな。今度、いきなり「ゆうり」とか呼んでびっくり、心臓バクバクさせちゃおう。


 総務の宮、なんとかさんが。(彼は男の人なので!)呼びかける。

「では、親睦を深めるために自己紹介をしていきましょうか。では、あちらの部屋にどうぞー。そうそう、第一多目的室です。お菓子やお茶なども用意してますよー。」


ここは天国か? え?


僕の周りの軽犯罪を犯したと見られる(公然わいせつが軽犯罪かどうかは怪しい)10人は、男女半々。あれっ、ここって合コン会場かなんかでしたっけ?


まあ、優しいに越したことはない。あとが怖いんだけどな。あれだよ、あれ。「新入生が見学に来たときと体験入学のとき顧問の先生と先輩の雰囲気」と「入部後一回目の練習の雰囲気」が怖いくらい違うやつ。二重人格かっての。


 まあ、今を楽しもう!

このメンタルで逮捕されたことを忘れている、館山さんであった...

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