第22話 引っ越し準備

 かくかくしかじかなことがあって、ゆるゆるの実家ぐらし大学生が、家から追い出されることになりました!


今はそのために荷物をまとめている最中!


別に僕は特にこれといった趣味があるわけではないかな。

うーん、特に好きな本とCDと将棋盤くらいがあればいいか。


いけない、いけない。服がないと!

まあ家から出なければ問題はなし。

冷房をかける必要とかも減るし洗濯もしなくていいし

光熱費を抑えられて最高!

大学生の一人暮らしには裸が最適、いつでもできるし。


彩月は...来てくれないか

もうこんなお兄さんには、会えない、か。


「まだやってるのー? 準備できたら早く寝なさいよー。明日は朝の5時出発だからねー。」


一歩間違えると夜逃げ屋じゃねえか。今からだと、どうがんばっても寝るのは数時間になりそうだ。


もう整頓してなくていいや。適当に詰め込んであっちで綺麗にしよ。

こんな僕が部屋が綺麗なのは七不思議だ。


そういえば部屋は勝手に父が取ってくれた。親戚のアパートだとか。

やっぱり優しいんだよな。ちょっと狭いけど全然いい。

裁判が始まるまではだいたい数か月だから悠々自適に楽しむとしよう。


「おにいちゃーん」


聞きたかった声だ。今日、家に入ってから一度も僕に向けられなかった声。


「どしたー?」


「手伝ってあげよかなって、ふふ。」


さらにグレードアップしてやがる。これはあれか、彼氏ができたのか。

僕以外の男がこの子に...


「助かる! ありがとう!」


「じゃあこれとこれとこれ捨てるねー。」


「......」


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