第21話 家族会議、再び
「......」
「かっかっ、ぱくぱくぱく。」
「......」
なんだこれ。誰のせいでこんなことに。おいしい。
もう、いいです。ハニトラでもなんでもいいです。
ここから連れ出して、とりあえず行為に及びたい。おいしい。食べたい。
「心から恥ずかしいと思う。私の責任だ。」
はいはい、こんなことお父さんに言わしてしまって親不孝の最たる例ですよっと。
もう、反省はしました。自己嫌悪になるけど、そんなことしていたらもはや僕じゃない。「自分のことが嫌いな変態」ってもはや意味もわからないし。
「私が紹介した医者には発情して、医者側からもう診たくないと、苦情が入る始末だし。家から追い出すわけにはいかないけど、どう責任を取る。」
適切な言葉は見つからない。
ヤれたら、自信がついてなんでもできるとかはとても言えないし。
「今度の裁判は、執行猶予はつかないぞ。わかっているな。」
僕がしばらく黙っていても急かしてこない。
お父さんにもそんな時期があったのかな?笑
顔に笑みを浮かべるとガチギレがきそうだからしないけど。
「心から、反省しています。」
言えたのはそれだけだった。惨めで、なんともいえないけど。
彩月にもどうしようもない姿を見せてしまったなと思う。
もう、これ以上かわいい妹に顔を見せるわけには...
妹の性癖まで曲がってしまう
いろいろ教えちゃうぞ☆
「裁判が始まるまで、一人暮らしをさせてください。」
「ちょっと...」
手を出して止める父。いやいや、そんな急ブレーキ踏んだときみたいなセルフエコバックしなくても。
「わかった。もう何をしても知らない。ただ、刑期を終えたら帰ってくる場所は自分で選べ。」
ここまで怖い父は見たことがない。
小学校のプールの授業のときに着替えでタオルを使わず、プールでも水着を履かなかったときよりも怖い。
相変わらず「沈黙は金なり。」の人たちだ。
なんで僕はこんなに喋っても、喋っても次から次に頭に言葉が流れてくるのに。
もう、しばらく話すことはないんだろうなと思う。
心からの感謝と、満腹感と、久しぶりのアレのやりたさをもって部屋を出た。
それくらいの時間は待ってくれるだろ。
明日、業者を呼ぶとかいってたけど、速すぎか。そんなに出ていってほしかったの?
泣いちゃうよ。
人の中の優しさに気づける人間になれたなら、ねえ、父さん。
ふぅ(有言実行、以下略)
これでこの家に対する執着心のひとつはなくなった。思い出が詰まっているからな。
友達がいなくて一人で帰ってきたあとも、文化祭をまわる人がいなくて、学校の敷地から出て泣いていたときも。剣道の総体で負けてひたすら悲しかった日も。
まだらな模様の床...
部屋の整理をひとり始めた。さーて、なにが出てくるかなー(棒)
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