第16話 送検...

また、車に乗っている。今度は検察に向かっている。


僕は送検されてしまった。このまま起訴されると間違いなく有罪判決が出てしまうだろう。日本の裁判だと99.9%の確率で有罪判決が出るというのは某ドラマと映画のおかげで有名な話だ。


この運転手さんもどうやら上手じゃないらしい。


そんなに急がなくても、僕は逃げないっていうのに。


僕が罪を犯したのは確実だし、この国は公共良俗に反する行動に厳しいからやっぱりそうなってしまうのか。



さっきの県警とはまた違うタイプのダンジョン。

優しい人が来てくれるといいな。


机の上には「椎葉」の名刺が置かれている。

名前から察するに、男の人だ。ということは50代か。


部屋に入ってきたのは2人。

ふたりとも20代に見えるくらい若い。

なんだか喋りながら近づいてきたけど、ここはデートの場所じゃないですよっと。


「志穂ちゃん、前、甘い物好きって言ってたよね。大街道に美味しそうなパンケーキ屋さんができたらしいんだけど明後日、日曜日一緒に行かない?」


ふーん。志穂っていうんだ。かわいいのか?

なんだこいつ仕事しろよ。


「ええー。じゃあー、この館山って人、今日で片付けてくださいね?」


意地でも黙秘を貫いてやろうか。


「ええと、罪状は公然わいせつ罪っと。うわ、やばこいつ。

まあ、警察の方で罪は完全に認めているらしいし、ズボンを脱ぐというくらい頭がどうかしてるということは気がかりだけど、まあ大丈夫でしょ。」


どうやら檜原は僕が言ったまま調書を書いてくれたらしい。


「かっこいいとこ期待してますよー。」


咳払いが聞こえてから部屋に入ってきたが、あんなに大きい声で話していて僕に聞かれているとは思わないのか。

別に「検事」なんてキャリアはどうでもいい。大事なのは顔、顔、顔...



顔はかっこいい。背は高い。性格は知らない。


かわいい。胸が大きい。足が細くて綺麗。


へえ、こんなアニメみたいなことあるんだー(棒)



っていうか、さっきの流れ的にヤッてるだろ? ん?

ヤってないのか? 直接聞きたい欲がやばい。

とりあえず足触りたい。


どすん。ぎしぎし。しゅぽしゅぽ。

おい、椅子がかわいそうだろ。


「ええー、検事の椎葉と言います。こちらは書記の志穂ちゃn、失礼、日之影さんです。」


はい、確信犯です。こいつやってます。リア充アピールいらないです。


「名前と生年月日は? 西暦でね。」

「館山カズキ。平成12年9月24日生まれ。」

「12を引くから2000年と。」 キラッ


いちいち女性の方を見るな。


「世紀末じゃん。」


いったい、何回それを言われたら気が済むんだ。


「この調書に書いてあることで合っていますか?」


いや、どういう質問だよ。自分で少しは調べろよ。し ご と し ろ。

この仕事は、女性と遊ぶだけなのか。


でも、僕に国家権力に逆らう勇気はないので

「合っています。」

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