第5話 はじめての出会い系

ええと...出会い系の登録ってどうやってするんだっけ


彩月に彼女を作ることを勧められたあと、とりあえず登録してみることにした。

いや、でもこれであっちから連絡が来たら奇跡に等しいな。


まずは名前。イカした名前に変えちゃおうかな。

え? 目に入った次の一文。


「本名を使っているかどうか市役所に問い合させていただきます。」


もう意味わかんねーな。そんなことできるわけないのに。

怖いから本名にしておこう。菅田将暉とかにしようかと思ったのに。

館山カズキっと。


次は性別。こんなん登録してる九割は男だろうが。いちいち聞くな。


趣味かー困っちゃうな。

アニメ、ラノベ、ゲーム、少女観察、、、、


いやいや考えろ考えろ。こんなの速攻でブロックだろ。


映画鑑賞、読書、謎解き、人のことを考える、、、


最後にキモさは残っちゃったけどこれでいっか。


最後にプロフィール写真を撮らないと。

証明写真でいいのかな。まあここはアプリ使っとくか。


「Know(クノウ)」を起動して写真を撮る。変なスタンプとかはつけないほうが良いらしい。このアプリはデフォルトで顔綺麗にしてくれるから助かる。


え、詐欺だって?

いやいやこっち、男側は今までその何十倍女子の加工詐欺に引っかかってるっての。

ひどい世の中になったもんだ。


若干右斜めから写真を撮ってアップして完了。少しでも盛れたかな。

心の奥底に潜む闇は隠せなくても。(中二病)


いい出会いがありますように。



それから三日後のこと。

ピロン。

アプリから通知だ。恥ずかしかながら、先日登録した出会い系。


「館山さん、はじめまして。なんかぎこちないからカズキって呼ぶね!

私は五ヶ瀬綾(いつがせ あや)って言います!!

顔写真と趣味が気になったので連絡したよ〜〜♡

一回会ってみたいんだけど、いつでどこがいいかな?」


あわわ

「さ つ き〜〜〜〜〜〜!!

今すぐ来て〜〜〜〜〜〜!」


「お兄ちゃんうるさい。」

ああこのツッコミ安心感すごいな。快感。


「こんな連絡来ちゃった。あっちからね。(重要)」

「うわーなにこの女。新婚詐欺か、ただの男好きか。絶対20人くらいにこのメッセージ送ってるよ。滅べビッチ女。」


※彩月の心の中※

いきなりタメで来る感じの人か。

いきなり名前呼びは慣れてないとできないし。

この女怪しいな、なんせお兄ちゃんに半径2メートル以内に近づくなんかよっぽどの理由がなかったらしないし、なにか目的はあるのか。ハニートラップか。

なんとしてもお兄ちゃんは守らないと。



「素直にお兄ちゃんの幸せが喜べないの?

ああー、僕が彼女できるのが寂しいんだー!」 かわいいな。おい。


「普通に考えてみ? あの写真にあの趣味のどこが気に入ったんだよ。変態丸出しだし。もし詐欺じゃなかったらその五ヶ瀬さんに同情するレベル。」


毎度のごとくひどい言いようだ。別にいいけど。

でも、Mへの扉を妹では開きたくない。

彼女なら、しばらく考えてみるけど。


「とりあえず、会ってみるか。文面考えないと。」

「どうせあっちはビッチだからなに送っても会ってくれますよーだ!」


ほんと、どこまで嫉妬してるんだよ。

彼女作ったら彩月との時間も減っちゃうんか。

今のうちにかわいがっとかないと。


僕に彼女ができたとしても、彩月が彼氏つくったら、とりあえずマシンガン持っていくけどね☆


「五ヶ瀬さん、連絡ありがとう。僕も綾さんのプロフィール見た!

なんだかなかよくなれそう、というかなりたい!

時間のことだけど、あさって土曜日の松山市駅でどうかな?

じゃあ、またね〜。」



五ヶ瀬綾さんのプロフィール

22歳の大学生。

趣味:読書、ドラマを見ること、ピアノの調律

ひとこと:気軽に連絡してください!

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