第4話 妹から
「お兄ちゃんに聞きたいことあるんだけど。」
急に部屋に入ってきたと思ったら、珍しく真面目な顔なんてしちゃって。
ひぃぃ、怖いなー、ほんとに。(棒)
いや、怖いとしたら彩月のほうか。
いちおう、僕って前科ついちゃってるからな。
これで、「私のこと、好き?」とかだったら即答するのに。
「お兄ちゃんって、彼女いないの?」
グサッグサッ。
なんだこれは。「いない。」って言ったら、告白してくるパターンか?
いやいや、僕と彩月は2親等。民法は守らきゃだし、司法を敵に回す勇気はない。
実は義理だったってオチか?
そんなのお兄ちゃん泣いちゃう。
「いないよー。」
「へえ、そうなんだ。やっぱり。彼女いる人が駅前で発情してズボン脱いでたらそっちの方がやばいか。どうせお兄ちゃんは一生独り身ですよーっと。(まあ、もらってあげないこともなくはないけど。)結婚詐欺だけは引っかからんでね。」
「いくら彼女いない歴ニアイコール年齢だとしても、そんな簡単に人は好きにならんって。」
「なによニアイコールって。」
僕は3歳のときにお母さんと付き合っていたらしい。
ああー1親等きちゃったーーー
違うって、よくあるじゃん。ファーストキスはお母さんみたいな♡。
「まあまあ、僕に彼女はいたことはない。それで満足か?」
「じゃあ作ればいいのに。彼女いたら、発情する対象絞れるでしょ?」
違うんだよなー、見知らぬ不特定多数だからってのが興奮するのに。
ほんとになにもわかってない。わかったらわかったで逮捕されるけど。
僕みたいにねっ☆
だいたい彼女を、発情する対象と断言する、この妹はどうかしている。
血は争えないといったところか。
ほんと、妹にこの性格が受け継がれていないことを祈る。
いや、でも彼女を作れっていうのはそれはそうだ。
いつまでも年齢イコールでいるわけにはいかない。
あと十年くらいで魔法が使えるようになってしまう。
どんな魔法を使おうかなー。
どんな魔法を使うとかじゃなくて、
魔法使ってでも卒業したい!!
やっぱ、死ぬまでにはやっとかないと死ぬにも死にきれんしね。
あっ、死ねって言っちゃった。
「ちょっと、パパ活、ごほごほ。じゃなくて、普通に出会い系やってみるわ。」
「普通にって、出会い系のハードル低。やったことあんの?」
「いや、な......」
「あるわけないかー、プロフィール写真とかどうやって撮っても相手断っちゃう。」
「ばかにしてんのかお前。」
いちおう、普通の容姿はしていると思ってるんだけど。容姿はね......
この子は誰に似ちゃったんだか。
昔は優しかったんだけど。僕ってMなのかな。
まあ、たまに優しい方が特別感はあるけど。
うん、
登録してみるか...‥‥
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